2023/05/19

最近観た映画メモ「フランケンシュタインの逆襲」他



先日観た、ダースベイダーを演じたデヴィッド・プラウズのドキュメンタリーで気になった、ハマー・フィルム・プロダクションのホラー映画をいくつか見ておく特集。

「スター・ウォーズ」(1977年)にピーター・カッシングが出てたことでよく引き合いに出されてたハマー・フィルム。そのホラー映画作品群は有名だけど、ちゃんと知らなかった。

昔風の大仰なゴシック映画調だけど、基本的に「新しい映画」。戦前のユニバーサルのホラー映画を、テレビ時代にリメイクしたもの。ピーター・カッシングが起用されたのは当時英国テレビドラマ界のスターであったからとのこと。
●フランケンシュタインの逆襲(1957年) 1:23 U-NEXT

ハマー映画としては第2作(第1作はSFホラーの「原子人間」)。監督、テレンス・フィッシャー、主演 ピーター・カッシング、クリストファー・リー。

生命を創造する実験に取り憑かれたフランケンシュタイン男爵。助手のポールの忠告も聞かず、優秀な脳を手にいれるため殺人まで犯すようになる。ついに完成した「創造物」は凶暴な怪物だった……という話。殺人罪で死刑直前のフランケンシュタイン男爵が神父に語る自身の生涯、という形式。

意外に面白かった。すごい真面目な、というか、ちゃんとした映画。クラシックな様式をきっちり抑えて破綻がなく、古臭い部分は少ない。現代の目で見ると「怖さ」はたいしたことないけど、こういうのを見たかった!って感じ。「怪物」の怖さよりも、男爵の「周囲が見えなくなってる知的暴走=狂気」がテーマ。

ピーター・カッシングは魅力全開。怪物役のクリストファー・リーは特殊メイクで顔がほとんど隠れてしまってる。ユニバーサル版フランケンシュタインの怪物のデザインが使えなかったので、気色悪くドロドロ感が強い怪物にされてて、ここだけ「新しいイメージ」。

男爵の少年時代を演じる子役が良い。カッシングが若作りメイクしてるのかと思ったくらい違和感ない。途中、成長する様子が何度か映るうちにいつのまにか大人のカッシングに入れ替わってる。

●吸血鬼ドラキュラ(1958年) 1:21 U-NEXT

ドラキュラ伯爵を退治しようと司書として潜り込んだ男が返り討ちに遭う。彼が残した手記を手に入れたヘルシング博士が立ち向かう、という話。

「フランケンシュタインの逆襲」が大ヒットしたので同じ路線。ものすごく真面目にゴシックホラーをやってる感。見せ場が多く、よくできてる。

クリストファー・リーのドラキュラの存在感に圧倒される。監督は前作と同じテレンス・フィッシャー。キャストもピーター・カッシングやクリストファー・リー他、同じ人がちらほら。デニス・クエイドにちょっと似た感じのマイケル・ガフって「バットマン」(1989年)でアルフレッドを演じてた! 

リメイク元の「魔人ドラキュラ」(1931年)のベラ・ルゴシ版のドラキュラ、YouTubeに断片が上がってるので見てみると、トーキーだけどサイレント時代風の様式美が強めで、セットのスケールがもっと大きい。

ところで、吸血鬼退治セットといえば、「十字架、にんにく、木の杭」だったはずだけど、なぜかこの映画のWikipediaはじめ「鉄の杭」って書いてあるページがあちこちにあるのは何だろう?

●妖女ゴーゴン(1964年) 1:23 U-NEXT

頭髪が蛇で恐しい顔をした妖女、見た者は石に変わってしまう。20世紀初頭、殺人事件の続くドイツのある村に再び殺人事件が起こるが、「人が石に変わったこと=ゴーゴンが蘇っているらしい」は村人や警察やピーター・カッシング演じる医師もそれを秘密にしている。親を石にされた青年が秘密を暴こうとする。

ゴーゴンはティシフォニー、メデューサ、メゲーラの三姉妹。この映画ではメゲーラが登場。「ゴーゴン」は「恐しい」という意味だそう。

監督テレンス・フィッシャー、主演、ピーター・カッシング、クリストファー・リー、バーバラ・シェリー。

恋愛というか三角関係的な要素を盛ってて、単に化け物映画でないちょっとロマンチックな感じにもなってる。ラストの対決って、実はけっこうみっともない争いだったりw カッシングは髭をはやしてるし、リーは普通の人間として出てきて、新しい魅力。

助手カルラ役のバーバラ・シェリーは画面の空気が変わるくらい美しい。2年後の「凶人ドラキュラ」吸血鬼にとして出演。2021年1月にコロナで亡くなったそう。映画見てて検索すると、コロナで亡くなった俳優や映画関係者がちらほらどころじゃなく多い……。

妖女ゴーゴンそのものはほとんど登場しない演出だけど、肝心の作り物と照明の具合がメーキャップがイマイチなのがもったいない。水面に映ってるときの頭髪のヘビがピコピコ動いてるのがカワイイw

●帰って来たドラキュラ(1968年) 1:32 U-NEXT

クリストファー・リーのドラキュラの3作目(2作目の「凶人ドラキュラ」は配信に見つからない)。

司祭がドラキュラを退治してから一年。復活を防ぐために山の上の城に赴く。しかし、同行した神父のせいで川に氷づけになっていたドラキュラが目覚めてしまう。司祭に復讐しに町にやってくるドラキュラ……という話。

第1作から10年もたつと画面も色も昔な感じはしなくなる。タイトルバックが画像処理の派手なもので、同じ年の公開の「2001年宇宙の旅」のスターゲイトを思い起こさせる。60年代の青春映画っぽい味付けまで。

クリストファー・リーは今回なんかパッとしないし、ゴシックホラー的な様式美が弱く、普通の映画になっちゃってるかも。馬車に乗ってるシーンだけカッコいい。

ピーター・カッシングが出てないことが大きいかも。今まで観た3本は彼で持ってたのか。

監督のフレディ・フランシスは「エレファントマン」「デューン」「ケープ・フィアー」等の撮影監督として有名なんだそう。「グローリー」でアカデミー撮影賞。

・ところで、1968年の「帰って来たドラキュラ」という邦題は、多少なりとも「帰ってきたウルトラマン」(1971年)に影響を与えてるのではないかと一瞬思ったけど、まあ、どちらも「帰って来たヨッパライ」の影響だろうなw

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