2020/07/12

最近観た映画メモ「ジョーズ2」他

まだまだ続く70年代映画。ところで、「Amazonプライムは、外付けディスプレイではHD最高画質にならない」件。なので、見るときはノートのディスプレイで見てきた。今回、Windowsノートを外付けディスプレイに繋いだら、ちゃんとHD最高画質で見れるぞ? おかしいなとMacで確認したらやはりHDにならない。なんでだ? ある基準を満たしたHDMIケーブルなら大丈夫という話もあるが、接続はUSB Type-CでもHDMIでも同様。

ドランクモンキー 酔拳(1978年)
ジョーズ2(1978年)
クレイマー、クレイマー(1979年)
チャンス(1979年)

●ドランクモンキー 酔拳(1978年)

ジャッキー・チェン映画としては、日本では先行の「スネーキーモンキー 蛇拳」より先に公開され、デビュー作的印象。モンキーパンチのポスターイラストも良かったなあ。

何度もテレビで見てるはずなのだが、一本通してちゃんと見た記憶がないので、あらためて観てみた。日本語吹き替え版が配信にないのは残念。

そりゃ楽しいし面白いに決まってるし、ジャッキーも師匠も最高。でも、昔の印象とちがって、舞踏というかダンス的なニュアンスがとても強く、のんきで間延びした感じに見えちゃう。アクションのシーンが長すぎて、早く次に進んでくれ!って、カンフー映画にあるまじき感想w  テレビ用に適当に刈り込んであるほうがメリハリがついて面白いのかも。

●ジョーズ2(1978年)

ずっと「スピルバーグが抜けて作ったイマイチな続編」ってイメージだった。かろうじてロイ・シャイダーが出てる程度。見たはずだけど、ヘリコプターのシーンとラストの対決以外の記憶なし。もしかして、テレビで
チラッと見ただけかも?

リゾート地のアミティ市は夏のシーズンを迎え、新しいホテルもオープン。しかし、サメがまた現れてダイバーや水上スキーの女性などを襲い始める。ブロディ署長はサメと戦った4年前を思い出し、過剰に対応してしまい周囲からうとまれ、ついに警察をクビにされる。そんなとき、海に出るなと言い聞かせたのに、息子2人が若者たちグループとヨットで沖に出てしまう……って話。

あれ? やはりこの続編、ぜんぜん観たことなかったw めちゃくちゃ面白いし、よくできてるじゃん。冒頭から海底のオルカ号の残骸が出てくるのをはじめ、奥さんのロレイン・ゲイリー、アミティ市の様子や市長、僕的に44年ぶりの再会というか、あの世界に続きがあったんだ!って、感激ポイント多しw

オルカ号船長のロバート・ショウが出てこないのは当然として、リチャード・ドレイファスの海洋学者は南極に行ってて登場できないことになってる。その二人以外は舞台も登場人物も同じなのだ。音楽のジョン・ウィリアムスは、アカデミー作曲賞取った前作以上にフィーチャーされてるし。

若者たちのヨットが襲われたあたりから、ちょっとダレる。とはいえ、キャーキャー楽しいパニック映画的にはこれで正解なのかも。奥さんや子供の話や市長・不動産会社などとの確執とか、前作以上にサメはダシでしかなく、人間ドラマのほうが面白い。

監督はジュノー・シュウォーク。「ある日どこかで」などの、ちゃんとした一流監督。スピルバーグ風味に合わせて、いちおう撮り方など踏襲してるっぽい。撮影監督はマイケル・C・バトラー、第一作の撮影監督ビル・バトラーの息子なのかな?

不慣れなのかわざとやってるのか、サメの登場は「出るぞ、ほら出るぞ」的な振りが少なく、ほとんどいきなりが多い。恐怖よりもビックリ。ちょっとサメを見せすぎてて作り物ってわかっちゃうのが惜しい。あと、第一作のようなサメに関するウンチク的なものが全然なく、ただの殺人マシーンという記号になってるのが、深みがない印象になるんだろうな。

ロイ・シャイダーのブロディ署長は、冒頭の遅刻をはじめ、間抜けなミス(魚の群れをサメと見間違えたり、船用語や無線機がわからずキレたり、肝心なところで船をぶつけたり)を繰り返してておかしな気がするけど、もともとの「ヘタレキャラ」を継続してるだけなんだな。たぶん。

市長役のマーレイ・ハミルトン、いろんな映画で見たと思うけど、「卒業」の夫人のダンナの人だ!

●クレイマー、クレイマー(1979年)

フレンチトースト以外ほとんど覚えてなかったってことは、やはりこれもテレビでチラ見しただけだったんだろう。ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ。

広告デザイナーのテッドは2年の必死の頑張りで大昇進のチャンス。無視され続けたと感じていた妻ジョアンナは5歳の息子ビリーを置いて出て行ってしまう。不慣れな父親業に悪戦苦闘するテッドだったが、次第に息子と打ち解け、親子らしくなっていく。そんなとき、1年半ぶりに妻から連絡があり、会ってみると「息子を引き取りたい」と。渡してたまるかと離婚裁判になる……という、アメリカで大きな社会問題になってた離婚や親権の裁判をフィーチャーした話。

さすがめちゃくちゃ面白かった。こじんまりした話なんだけど、ものすごい緻密。ホフマンの表情や動きだけで全編もつ。ストリープも負けずに火花を散らす。子役もうまい。

原題は「クレイマー vs.クレイマー」で、離婚裁判とわかるタイトルなんだそう。公開当時思ったのは、少し前のホフマン主演のイタリア映画のタイトル「アルフレード アルフレード」の感じにしようとしたんだなって。

びっくりしたのが、中盤で出てくるテッドのガールフレンド役って「ポルターガイスト」(1982年)のジョベス・ウィリアムズ! 朝、素裸でビリーと廊下で鉢合わせするすごい役w

テッド、広告デザイナーというかアートディレクターなんだろうな。ラフやサムネールみたいのを描いてたりするし、ポートフォリオで過去の作品見せてプレゼンしてたり。新しい仕事部屋にはマーカーとか。ちょっと親しみ湧いたw

っていうか、主人公がクビにされる映画が二本続いたw

●チャンス(1979年)

頭が弱く、テレビばかり見てる庭師のチャンス。物心ついた時から住み込みで働いていたが、老主人が亡くなってしまい、一度も出たことのない屋敷を弁護士によって追い出されてしまう。街をさまよってたところ、ちょっとした交通事故に遭い、大統領とも親しいアメリカ経済の大物ベンジャミンの屋敷に連れてこられる。庭師としての意見しか言ってないのに、あれよあれよと担ぎ上げられ時の人に、ってコメディ。

ハル・アシュビー監督、ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、メルヴィン・ダグラス。

ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を下敷きにしたストーリーだそうなのだが、そのへんよくわからない。「神が死んだと山から降りたツァラトゥストラが人々に思想を説くが理解されず、山に戻って特別な少数の人々に理解されて歓喜する」?まあ、なんとなく映画のストーリも沿ってる気はする。「永劫回帰」や「超人」については、「恋はデジャブ」やヒッチコック「ロープ」のほうが具体的でわかりやすかった。

とはいえ、ピーター・セラーズの独演会。セラーズの演技だけで2時間まったく退屈することはない。めちゃくちゃ面白かった。NG集まであるw あと、死が大きなモチーフになってることもあり、異様に静かで超然とした画面。セラーズのほぼ遺作だし。「神が、アホな人間たちをおちょくりに遣わした聖人」って感じなのかな? 空気を読めないので真実しか言わないのが面白い。

シャーリー・マクレーン、なんか凄みがあってイイ。大統領役のジャック・ウォーデンって、最近見た「シャンプー」や「天国から来たチャンピオン」で重要な役やってた俳優!

原題は「Being There」(そこにいること)。主人公の名前が「チャンス」だからタイトルにしたんだろうけど、チャンス=機会とか捉えちゃうとぜんぜん方向違いな先入観をもたらす、良くない邦題だなあ。

屋敷を出るときにかかるフュージョン版「ツァラトゥストラはかく語りき」。70年代末にSF映画ブームによるリバイバル等でオーケストラ版が浸透する前は、こちらのほうがメジャーだった気がする。っていうか、うちにあった映画音楽集の「2001年宇宙の旅」のひとつがこれだった。なつかしいw
https://youtu.be/-cuhPbhzMzQ

思い出した。中1とき、ブラス部の先輩がトロンボーンで「ツァラトゥストラはかく語りき」のメロディを吹いてたので、映画「2001年〜」の話をしたらまったく通じなかった。プレスリーのコンサートのテーマ曲になってたそう。

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