2013/08/01

発泡スチロール、再び!

3DCGのTDW作品を元に大きな立体を作りたい。数年前、発泡スチロールを芯に表面を樹脂で固める方式で40cmと70cmの作品を作ったとき、だいたいの感じはつかめてる。先日、実家制作で本格的なFRP作品も作ったので、もうテスト制作の段階ではなく、大型作品制作をスタートしたい。

大きいっても1mくらいが限度ですが。作っただけ生活空間が狭くなるし。でも、立体制作というかフィギュアというか彫刻は、大きいほうが明らかに作るのがラクなのです! 少なくとも僕にとっては。小さいのをチマチマ作るのは疲れる!

●立体を拡大加工?

大きな立体を作るとき、CGの形をどう発泡スチロールに写すか考えた。以前の大型作品2個の場合は、A3プリンタで三面図を用意して、発泡スチロールの塊に貼り付けて切り出した。ほとんどアナログです。

デジタルといえば、発泡スチロールをCGやCADデータを元に切削してくれる出力サービスもあるけど、以前見積もりを取ってみたら、1m級作品のスチロールを切削してもらうと20万円くらいするらしい。1個だけなら依頼するかもしれないけど、これから来年までに5個や10個は作りたいと思ってるので、それは無し!!

図面を拡大するパンタグラフみたいな道具のような感じで、アナログの原型や彫刻や製品模型を拡大加工する道具がぜったいあるはずだ! と思ったら「彫刻機」というのがそれだそうですね。小さいサイズで3Dプリントして拡大コピーできるかもと思ったんですけど、まあ、極端に大きなサイズに拡大は無理だろうけど。

もうちょっと何か方法はないかな?

●Autodesk 123D Make

3Dデータから輪切りを作成、段ボールやスチロール板を組み合わせたり積んで立体を作るためのソフト Autodesk 123D Make。Mac版もあります。Autodesk 123Dのシリーズには、3DプリントやMAKERS的に役立つソフトがいろいろあります。

OBJデータを読み込んでみた。めちゃくちゃおもしろい!! これは80センチの立体を2cmの発泡スチロールを切り抜いて作ってる設定。

< https://pic.twitter.com/8kRwYIBW8j >
< pic.twitter.com/D0orRiUo7b >
太らせて、スチロールの角を落とせば形を掘り出せる状態にできるし、支柱で串刺しにして正確に積み上げる設定もできる。

< https://pic.twitter.com/d6HZjLadtF >

1cm厚のスチロールにするとこんな感じ。ディテールまで見えてくる。ほとんど手動3Dプリンタ。設定次第で、たとえば3mmの厚紙や板を積層すれば、かなり精密な大型モデルとか出来ちゃうわけだ。たとえば胴体のつるんとした部分は5cm厚、顔の詳細な部分は5mm厚とか、分ける方法もある。特に精度がほしい部分は積層の角度を変えることもできるわけだし。あまり薄すぎる素材だと、接着剤の厚みも考えに入れなきゃいけないかな。

< https://pic.twitter.com/mjorVwR0NR >

積み上げる方向も変えられる。

< https://pic.twitter.com/aV5nui1U4m >

123D Makeはけっこう前に知ってたんだけど、実際に作ってみる設定してみるまで「ふーん」だった。こりゃFRP人形作るには最適!! でっかいブロック買ってきて彫刻するのも楽しいんだけど、CGでギリギリまで調整できるのはいいな!

段ボールを組み合わせて大まかな立体の骨組みを作ることもできる。骨組みの表面に新聞紙でもペタペタ貼れば、張りぼて的にイケるでしょう。で、カッティングマシンがあれば、切り抜き作業もいらないわけだ。厚い材料はプリントを貼り付けてカットということになるんだろうけど。

< pic.twitter.com/c3ZrXFtlxz >
< https://pic.twitter.com/qgbpntwTaP >

●123D Make、現実的には?

あれ? スライスの書き出しってOBJとSTLしかない。2Dのプリント用がないー。個別にスクリーンショット撮ってプリントするしかしょうがない? と思ったら、教えてもらいました。ちゃんとEPS書き出しがありました。

https://pic.twitter.com/xZ6w5uV5zX

これはイケそうだぞ! ってことで、作業のシミュレーションをしてみる・・・。大きな断面スライスを切り抜くには大きなプリンタが必要だ。試しにA3プリンタで出力する設定にしてみると、122枚に小分けされたww 122枚をプリントして137個のパーツを切り抜いて・・・ムリw

< https://pic.twitter.com/qpVIFAKxnj >

A3を4枚貼り合わせてA1を1枚の単位にするほうが現実的かな。それでも貼り合わせたA1サイズの紙が29枚・・・大変すぎるww

< https://pic.twitter.com/R9CfvfMVM6 >

百何十枚のプリントをパーツごとにまとめて、数十枚の発泡スチロール板に貼り付け、それぞれ切り抜いて、組み立てて・・・何日かかるんだ? 塊から彫り出せば、半日あればおおよその形は彫れるぞ。

●3D方眼で正確に彫る!!

以前はでっかいスチロールブロックを取り寄せて削ってましたが、ブロックを必要なサイズに切るだけでも大変だった。実家近くのホームセンターで簡単に手に入る素材だけでやりたいというテーマもあるので、やはり建築資材の4〜5cm厚の発泡スチロール板。接着して使うと、サンドペーパーかけると接着剤の部分が削りにくいという不都合はあるんだけど。

塊でなくスチロール板を重ねて作る利点は一応あって、平行の方眼が埋め込んであるのと同じなので、左右対称とか作りやすいはず。・・・あ!!! いいこと思いついた!

「デジタル3Dを元にアナログで彫刻を作る画期的アイディア!」

たとえば、5cmの立方体ブロックをくっつけて大きな塊を用意、CGにも5cm相当のブロックか板を重ねて別レイヤーにし、3D方眼として使う。立方体ブロックの接着面を方眼とすれば、正確に立体が写し取れるぞ! 要するに、下絵に方眼を描き、100号キャンバスにも方眼を描いて、形を写し取るアレです。

最初に全部くっつけてしまわず、立方体ブロックのまま、近似形に削って番号順に組み立てる、ってのもアリだし。立方体に着色した上で組み立てれば、まさに3D方眼!

CGの立体方眼で、角が三分の一欠けてる形があるとしたら、似た感じにスチロールの立方体を目分量で削る。5cmくらいの方眼なら1メートルくらいなら相当正確な立体を写し取れるけど、数が多くて複雑になりそう。現実的には10cmの立方体を最大でも縦10個・横7個・奥行き5個とかの感じかなと思います。

●他、思いついた方法

123D Make的に、発泡スチロール板にプロジェクターでスライスを投影して次々切り抜くって方法がある! 歪みの問題はあるけど、プリントして切ったり貼ったりの手間が丸ごと省略できる。安いプロジェクターはいろいろあるはず。探してみよう・・・。

あっ!スライスにこだわらなくても、スチロールの大きなブロックにできるだけ遠くからシルエットをプロジェクターで投影、スチロールを正面・横・上方向から削ればいいじゃん!!

とかなんとか、ブロックに5cm方眼描いてアタリつけるか、シルエットをボール紙を切り抜いてガイドにし、前横上から平行に切り出すのが一番カンタンで正確ってところに戻っちゃう。方眼を使うより作業は楽しいと思う。前横上に加え、斜め45度と135度からのシルエットを用意し、中心軸を決めて5方向から削ったら、そこそこ正確にできるだろうな。

もう一つ思いついた。香港とかのソフビ原型師がやってる方法の応用でイケる! 正面と横のシルエットを発泡スチロール板に写して切り抜き、上から見て十字に組み合わせてガイドにし、仕切られた空間にブロックを接着。あとは普通に削っていけばいい。外部の図面をガイドにするよりはラクなんじゃないかな?
 

・・・材料についてはほとんどテスト済みなので、一気に本格スタート! とはいえ、実は「ウレタン塗装」に初挑戦ってことで、そこはかなり緊張するところ・・・。立体制作のこと考え始めると、延々検索したり調べたりしてどんどん時間が過ぎちゃう。早く作りたい〜!

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