●アステロイド・シティ(2023年) 1:45 アメリカ Amazonプライム
監督・脚本:ウェス・アンダーソン。出演:ジェイソン・シュワルツマン、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス他、大物俳優たちが少しずつ出演。
「1955年、砂漠の街アステロイド・シティで催された天才少年少女の表彰イベントに集まった人々に起きた騒動」を、新作の演劇作品の制作過程を紹介するテレビ番組という体で淡々と描く、入れ子構造な話。
いつもにも増して物語を引っぱる要素が少ない、というかほぼ無く、退屈しそうなのに面白く見れてしまった。独特の50年代風のカラフルな色調と白黒シーン、ベタっとした奥行きのない箱庭感、横移動カメラ、登場人物のキャラ立ち、演劇っぽかったり変な間、チープなCGや特撮、舞台裏と脚本のページなど、入れ替わり立ち替わり。
ウェス・アンダーソン様式の純化というか、セルフパロディというか、やりすぎというかw 普通の映画の範疇じゃないので、つまんないというのもわかる。
シュールな味わいの寸劇を変なリズムで見せられてる感。俳優たちがノリノリで演じてるのが伝わって楽しい。
・「バービー」&「オッペンハイマー」と関わりがあるのが同時代の映画って感じ。
・「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(2008年)の核実験場の街のイメージ、入ってるよね。
・劇中と舞台裏に加え、別の劇の舞台裏という別世界が現実を通じてつながるシーンはドキッとした。
・CGや特殊効果がわざとらしくてイイ。ロードランナーのいかにもな変な描写が最高w
●バービー(2023年) 1:54 アメリカ Netflix
監督:グレタ・ガーウィグ。出演:マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、ウィル・フェレル他。マイケル・セラ、何やってんだw
バービーランドで完璧で楽しい毎日を送っていたバービー。うっかり「死」について考えてしまったことをきっかけに激変。口臭、扁平足、セルライト、失敗ばかり。「持ち主の問題が原因」と診断を受け、人間界へ行くことになる……という話。
面白かった〜。全編、実社会に対する皮肉、悪意あるカリカチュア化。冒頭のバービーランド描写は、ポリコレの上澄みのキッツいパロディに見えた。地獄のようだw
ケンが人間社会に行って男性の不遇に気がつき、バービーランドを男社会のケンランドに作り変える。ってのは、逆転させた女性の立場というかフェミニズムの鏡像なわけだけど、それをまたバービーたちがひっくり返して女社会に戻す策略、って悪だよね?
この映画をマテル社自身が作ったことが凄まじい。ネガティブな面も思いっきり描いてる。ラストとエンドタイトルでバービーの歴史にしっかり関連づけるのは上手いし。
感心したのは、人探しとか謎解きとかの「お約束」な過程をあっさり飛ばしちゃうとこ。飛ばしても面白さは成立するんだ! 簡潔な進行に安心してたら、後半にミュージカルシーンが集中、そこはちょっとダレる。
●オッペンハイマー(2023年) 3:00 アメリカ U-NEXT
監督・脚本:クリストファー・ノーラン。出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.他、こちらも大物俳優がいっぱい登場。
聴聞会で追求を受けるオッペンハイマー。物理学者としての駆け出しの頃からマンハッタン計画、戦後のスパイ疑惑まで、彼の半生を描く。
「目撃した」という感じ。時系列があちこち前後しまくるけど、意外にわかりやすかった。大勢の登場人物それぞれが、その時代と立場で生きてる群像劇的は興味深かった。
後半、法廷劇のようになってしまい、画面的にはちょっと失速か。3時間はさすがに長すぎる。日本公開の是非のバタバタは、本編を観てしまえば特に問題になるようなものではなかった。
ただ、こうやって映画メモ書いてても、ノリノリで書けるような感じではぜんぜんない。ワクワクする映画じゃないし。描かれたオッペンハイマーがリーダーとしてはともかく、人間的にはイマイチだったりして、「僕もああなりたい」って対象じゃないのも原因か。
⚪︎余談
⚪︎余談
「ダンケルク」(2017年)でも思ったけど(30万人の脱出にしては兵士や船や飛行機の数が異様に少ないけど、本物を使って撮ったのでみなさんこれが無数に見えると想像してくださいね的な)、CGを避けるあまり「見立て」に近くなっちゃってると思う。それでいい場合もあるだろうけど。トリニティ実験の動画に似せてはいるけど、やはりガソリンとか石油を使った爆発に見えてしまうのが。。他、原子や電子の運動を思わせる動画なども、何かをそれに見立ててるな、って感じにどうしても見えてしまう。
「バービー」、つまんないと言われてたので期待してなかったけど、あれを皮肉や悪意とわからないと夢の国のおとぎ話みたいに見えるのかも。パンクはよくわかりませんでしたが。「オッペンハイマー」の音。。。僕、「ダンケルク」の音が拷問だったので二度とIMAXで見ないぞと誓ったくらいで、警戒してました。小規模な爆発のシーンで「遠くの音が遅れて聞こえる」をちゃんとやってくれる映画はけっこうめずらしい。トリニティ実験、ドーン!と来るぞ、と身構えてましたw
「TENET テネット」(2020年)は二回目観るとめちゃおもしろいぞ!と言われてたので二回見てみたけど、あんまりおもしろくなかった。。。逆戻しは特に魅力的に見えなかった(撮るのは面白いだろうけど)。メモを見たら、やはり音がやかましすぎって書いてあったw
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