2023/09/18

最近観た映画メモ「オー!」「冒険者たち」



9月末配信終了で急いで見たロベール・アンリコ監督作品2本。「冒険者たち」はテレビで見たことがある。調べたらその放送は1976年1月5日の「月曜ロードショー」。たぶん「ジョーズ」を観に行った翌日だ! おまけにその数日後に寅さんとドリフ映画の二本立てを見に行ったことが判明してるという、1976年中学1年の正月明けの冬休み後半w

●オー! (1968年)1:46 フランス U-NEXT

元カーレーサー、今は落ちぶれて銀行強盗一味の運転手。実業家と偽って売れっ子モデルと付き合ったりしてる。ボスの不慮の死を契機に、のし上がろうと画策した矢先に自動車泥棒で捕まってしまう。しかし、華麗に脱獄。新聞で「カポネ+ルパン」ともてはやされ、調子に乗って強盗を繰り返すが……という話。

ジャン=ポール・ベルモンド、ジョアンナ・シムカス。ロベール・アンリコ監督。

面白かった。生意気な青二才がイキがった末の転落、の典型。当時の若者たちがお手本にしただろうオシャレだったりカッコよさが満載。「勝手にしやがれ」(1960年)や「気狂いピエロ」(1965年)のベルモンドキャラの延長。ナルシストな感じは「タクシードライバー」(1976年)っぽくもある。

字幕版には説明がなかったけど、栄光のカーレーサーから落ちぶれたんじゃなく、もともと悪いやつ。八百長レースに失敗、共謀した親友のレーサーを事故死させた末のライセンス剥奪、ってことらしい。原作小説にはあのよくわからないモルモットも出てくるんだろう。

音楽はフランソワ・ド・ルーベ。全編に流れるピアノ曲が印象的。ベートーヴェンっぽかったりショパンっぽかったりホンキートンクっぽかったり。この感じ、たぶん「ボルサリーノ」(1970年)の音楽に引き継がれてる。

新聞の使い方がやたら新鮮に感じてしまった。キオスクで新聞を買うシーンが何度も出てくる。情報を手に入れるには新聞、だったんだなあ。新聞社の印刷工場も出てきたり。

ジャック・タチの「トラフィック」(1971年)に登場した広報担当美女が乗り回す黄色いオープンカー「シアタ・スプリング850」。この映画でジョアンナ・シムカスが乗ってるとのことで、気になってた映画なのでした。コンパクトでかわいくてカッコイイ。ルパン三世の愛車、ベンツSSKとフィアット500を足して2で割った感じ。

●冒険者たち(1967年)フランス U-NEXT

レーシングカーのエンジン開発のエンジニアと友人の曲芸パイロット、スクラップ置き場に材料を探しに来た売れない彫刻家の女の子が意気投合。複葉機で凱旋門をくぐる曲芸飛行の賞金で一攫千金のはずが、失敗して航空免許取り消しされた上に、賞金の話は飛行クラブの知り合いが仕組んだいたずらだった。そいつをボコボコにとっちめたところ、コンゴの海に沈んだ飛行機に財宝が積まれたままという話を聞き出し……という話。

アラン・ドロン、リノ・バンチュラ、ジョアンナ・シムカス。「オー!」で新聞記者やってたポール・クローシェも出てる。

「オー!」のロベール・アンリコ監督の前年の作品。有名な主題歌含む音楽は「オー!」と同じくフランソワ・ド・ルーベ。

「冒険者たち」も「オー!」も本業のライセンスを剥奪されて、しかたなく違うことを始めたら、、、の話なんだ。原作はどちらもジョゼ・ジョヴァンニ(本作では脚本も)。

良いなあ。全体の記憶は薄かったけど、印象的な部分はしっかり覚えてた。二人の男と一人の女がロマンを追いかける感じはいろいろ真似されてるんだろう。3人のキャッキャウフフがほんと楽しそうで幸せそうw ジョアンナ・シムカス、作った美女な感じでなく普段なままでめちゃカワイイ。

暗転するのはラスト近くと思ってたけど、中盤だったのか。ドロンとバンチュラがいいかげんなチンピラではなく、最後まで暖かい心を持った常識人として描かれてるのがグッときた。

ラストの空撮すごい! あの要塞の島にはずっとあこがれてたなあ。現在は上陸はできないけど、近くまで船で行けるそう。

サーキット場は「オー!」で使われたのと同じ場所。検索したら建物やコースの形から「オートドロム・ドゥ・リナ=モンレリ L'autodromedeLinas-Montlhéry」というサーキットで間違いない。

コンゴで出会うセルジュ・レジアニは悪者かと思ったら最後にはいいヤツという役なのだが、ちょっと「マーフィの戦い」のフィリップ・ノワレを思い出した。検索したら、そのノワレが主演した「追想」(1975年)はアンリコ監督作品だったんだ! ブリジット・バルドー主演の「ラムの大通り」(1971年)もテレビで観た気がする。

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