2018/12/07

最近観た映画メモ「ペーパー・ムーン」他

宇宙戦争(1953年)
地上より永遠に(1953年)
深紅の盗賊(1952年)
現金に体を張れ(1956年)
地球の静止する日(1951年)
レベッカ(1940年)
ペーパー・ムーン(1973年)

一本を除き40〜50年代の古い映画。

●宇宙戦争(1953年)
そりゃ今の目で観ればスピルバーグ版とはくらべものにならないけど、戦後8年しか経ってない時期の作品って前提で観れば相当スゴい。まあ、あんまり面白くない。「マシン」が街を破壊する描写が延々続く感じは、僕が苦手な「日本の怪獣/戦争映画のミニチュア破壊シーンが単調な効果音とともに延々続く」とほぼ一致。これをお手本に80年代までやってたんだなあ。有名なオチも含めて結局なんと宗教映画っぽくなってるw

●地上より永遠に(1953年)
昔、すごい名作って聞いてたからちょっと期待してたんだけどなあ。。。全編ぬるいメロドラマで、優秀に見えるバート・ランカスター含めて登場人物全員ダメ人間で、共感しにくい。12月7日の朝に真珠湾攻撃があることを観客全員知ってる上でのサスペンス的なものがあったんだろうけど。

●深紅の盗賊(1952年)
バート・ランカスター繋がり。小学生〜中学生の頃に何度かテレビで観て大好きだったコミカルな海賊映画。昔のカートゥーンアニメみたい。劇判までトムとジェリー的にアクションにいちいち合わせてあったりする。すっかり忘れてたつもりでも場面場面で全部キッチリ覚えてた。宮崎駿がいろいろこの映画からヒント得てるのもわかる。ボートひっくり返して海底を歩くやつはそのまま「未来少年コナン」で
やってた。当時「あ!アレだ」って思ったもん(背が低くて足が海底についてないヤツがいるところまでそのままw)。今観て面白いかと言えば、まあダラダラとつまんないギャグやドタバタが続いてウンザリしなくもないw 小学生が観ても全部わかるところがよかったんだろうな。当時観て「あれは面白かったな」って思った映画の多くがそうなのかもしれない。ところで、観たのはU-NEXTだったけど、画質が非常に悪い。夜のシーンなんか黒く潰れててなんだかよくわからない。以前も「地上最大のショウ」が持ってる格安DVDと同じひどい画質でガッカリしたものがあるけど、もしかしてそのDVDから取り込んでる?

●現金に体を張れ(1956年)
キューブリックの出世作の犯罪映画。よくできた白黒の古い映画はたいてい同じこと感じるんだけど、描写がキッチリ端正でわかりやすく無駄がなくて良い! 何人もの登場人物ごとに時間を遡って決行への行動を追う構成も面白い(最初混乱したけどw)。競馬場の走る馬の流し撮りすごい! けっこう複雑な計画。あんなの最後までうまく行きっこないよw おまけにバカが一人混じってるんだもん。おかげでヒヤヒヤしっぱなし。ジャン・ギャバンの映画にこんな感じのラストあったね。あと、ムード作りなんだろうけど、音楽が鳴りっぱなしはかなり邪魔だった。

●地球の静止する日(1951年)
真面目なSF映画の古典。あの銀色のロボットのビジュアルが有名だけど、あそこ以外はかなり地味。巨匠ロバート・ワイズだけあって、すごいちゃんとしてる。ただ、説教臭いw キアヌ・リーヴス主演のリメイク「地球『が』静止する日」の予告観たけど、クラトゥの感じ出てた。

●レベッカ(1940年)
60年代以前の映画は面白さにあまり期待してなく、教養的に「観ておかないとね」的なものが多いんだけど、これはめちゃくちゃ面白かった。ヒッチコックのハリウッド第一作で、アカデミー作品賞取ったそう。内容的には、怖い怖い、不安不安、のスリラーでミステリー的なもの。何度もいろいろひっくり返って鳥肌立つw 白黒画面が美しいし、絵的に見せ場も多い。主人公のジョーン・フォンテインきれい!かわいい! 彼女がいろんな表情を見せてるだけでずっと観てられるw ローレンス・オリビエ、若い! 思ったのは、昔の少女マンガってこんな感じだよなあ。っていうか逆に、少女マンガがこれをモデルにしてるんだろうな。普通の女の子が影のある貴族で大金持ちのハンサムなおじさまに見初められて結婚、お屋敷では意地悪な家政婦長(ほぼロッテンマイヤーさんw)、親切な使用人のおじさんがいたりの。あと、U-NEXTで観たんだけど格安DVDも持ってるのでちょっと比較してみたところ、画質はDVDのほうがコントラストがあって見やすいけど、字幕はU-NEXTのほうが詳細なようだった。DVDのほうも観てみよう。

●ペーパー・ムーン(1973年)
めちゃくちゃ良かった。今、「オールタイムベスト映画を10本挙げよ」って言われたら余裕でベスト3以内に入れると思う(10本を今ちゃんと決めるつもりないけど)。母親を失った小さな女の子をクルマで親戚に送り届けることになった詐欺師。テイタム・オニールとライアン・オニールの親子共演。テイタムは大人のライアンと完全に対等な人間として振る舞う。必要なときは子供のふりもできる。賢く機転が利きライアンのほうがバカに見えてしまうw 堂々とした演技がスゴい! あまりに上手くて何度も繰り返し観ちゃう。「keep your sunny side up!」の歌を口ずさむところなんかもうかわいくて! これで9歳でアカデミー助演女優賞。すごい鮮明な白黒映画なんだけど、そのせいで45年前の映画って感じしない。最近の映画と言われても信じちゃいそう。
テイタム・オニール、76年頃にロードショー誌やスクリーン誌など買い始めた頃、「がんばれ!ベアーズ」で人気爆発してて、表紙やグラビアページにいつも出てた(女優としては尻すぼみになっちゃったけど)。何よりジョディ・フォスターと同じくほぼ同い年で、親しみも感じてた(ジョディ・フォスターはTVドラマ版の「ペーパー・ムーン」で主演。ドラマは人気出ず打ち切り)。
あと、あの「5ドル詐欺」って、そういう手口があるのは知ってるけど、僕もとっさに理解できんわw 「料金紛失の謎」とか「消えた1ドル」とか呼ばれたり落語にも出てくる有名トリックだそう。

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