この話題はあまり愉快じゃないのだけど、書かざるを得ん。そもそも、銃を作るなら3Dプリンタより従来の工作機械や工具のほうが圧倒的に危険。なんだったらその辺に落ちてる鉄パイプにちょっと細工するだけでも足りる。カートリッジ付きの弾が入手できるのなら、だけど。
「3Dプリンタ製拳銃で逮捕者:殺傷能力がある拳銃を作れる3Dプリンタは法的に規制すべきか? - MONOist(モノイスト) 」
↑ ここに、全部書いてあります。3Dプリンタ関連の会社はどこも、取材が殺到して大変らしいです。
3Dプリンタで銃を作って逮捕された男の件、ネットやいろんなTV番組でもやってた。「ニュースキャスター」のビートたけしは、問題に対して主に「模型のデフォルメ」「3Dデータの流出防止」「3Dプリンタで作ったものの著作権」という、まったく的外れのコメント。3DプリントサービスのCMに出ているたけしでさえ的確な理解ができてないとすりゃ、一般の人が無闇に怖がるのもしかたないよなあ。
「3Dプリンタがもてはやされてるけど、実は犯罪にも使える怖ろしいモノで」は「大衆が飛びつくおもしろい話」。持ち上げといて落っことす。「偽ベートーベン」や「小保方さん」と同じ構造。視聴者の欲しいものを提供するのが商業放送・マスコミの仕事としたら、ああいう取り上げられ方は当然なんだろな〜。
「世紀の発明」とか「最先端」も的外れ。特許が切れたから安い機種が出始めて注目されてるんであって、最先端技術どころか「枯れた技術」みたいなもの。業務用の高い3Dプリンタはぜんぜん安くなってないし以前から普通に使われてる。
樹脂を積み重ねるタイプの3Dプリンタって、簡単に言えば、熱で溶かした樹脂をチュルチュルと出すノズルをモーターで動かす仕組み。要するに、「数値制御のマヨビーム」。そんな複雑なわけじゃないし。パーソナル3Dプリンタの出力物は基本的にマヨビームがくっつき合っただけのスカスカの樹脂なので強度もない。
先日、別の方式の3Dプリンタが特許切れになったそうで、丈夫なものが作れるパーソナル3Dプリンタが普及しはじめたら、また騒ぎになるのかな?
あと、犯人の「銃規制への挑戦」ってのは、アメリカでやってる「憲法で保障された武器所持の自由が規制されそうだけど、俺らは3Dプリンタで対抗できるぞ!」なので、日本ではまったくの無意味。政府が変なことしたら我々は武力で対抗するからな!というのが、その保証された権利。国に対抗する手段を奪われることに抵抗する理屈はわからなくもないけど。
いやまさか、業務用の3Dプリンタや工作機械をおいといて、ホビー用の弱っちい3Dプリンタを規制しないでしょ。小学校に3Dプリンタ入れたり個人レベルでバンバン普及始めてる国があるのに3Dプリンタの規制ってのは、陰謀論で言えば日本のモノ作りを根絶やしにしろ的なアレが働いてるのかも、とか考えちゃうよねえ。
闇社会の人たちがほしいのは「本物の凄み」だろうから多少実用になるとしても不格好な3Dプリンタ製をほしがるとは思えんw ……と思ったけど、青や黄色のカッコワルイ銃をちらつかせられると、逆に底知れない恐怖かも。
あと、弾がなければ3Dプリンタ銃は意味がないわけだけど、上記の人たちは弾が入手可能っていう件はちょっと怖い。フィギュア作りたくて3Dプリンタ買ったのに「拳銃つくれやゴルァ」と脅される人が……。
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