映画「moog」(見てない)のサントラCDに入ってたStereolabというバンドの「Variation One」って、ザ・ビーチボーイズの「グッド・バイブレーション」を下敷きにしてるような気がする、っていうか、それっぽいことが書いてある英語のサイトを見かけたような気がするんだけど。こういうのもっと聴きたい。
iTunesストアでStereolabのアルバムを片っ端から試聴してみても、似たような雰囲気の曲はないみたい。イレギュラーなのか、moogサントラだからの作品なのか。いや、特にファンでもなんでもなく、この曲だけ気に入ってるんだけどさ。
それで思ったんだけど、逆に「グッド・バイブレーション」をクラフトワーク的にアレンジしたやつ聴きたいな〜〜と。クラフトワークをラテンやピアノ曲にしたのはあったけど、いろんな曲をクラフトワーク風にってのあってもいいよなあ。
どのアーチストでも同じだろうと思うけど、聞き手やファンそれぞれにとっての「黄金期」ってアルバム数枚分しかないことが多くて、せいぜい数十曲とかだったり。アーチストは同じような曲は作りたくないんだろうけど、ファンとしては黄金期のバリエーションをもっともっと聴きたいよねえ。
かつてYMOにハマッていた立場で言うと、83年の散開前のオリジナルアルバムは7枚しかない。音楽テクノロジーの激変期だったこともあって、それぞれがまったく違う雰囲気。「同じことは二度とやらない」的なこともあっただろうけど、ファンとしては、7枚のそれぞれ1枚の傾向の作風が3枚ずつあったらなあと思ってた。曲が少なすぎる!
3人の個性や方向性や作風がこれだけ知れ渡ってるんだから、例えば「ソリッドステート・サバイバー」の頃の雰囲気で、真似して作れる人も大勢いるに違いない。使用機材まで完全再現するとかのコピーバンドは別としても、原曲があってのパロディ的なものしか聴いたことないなあ。
いつぞや、エレクトロ・ポップの特集のDTMマガジンか何かの付録CDに、いろんなバンドの特徴を再現したワンフレーズの作例が入ってた中にYMOのもあった。なかなかだったのでちょっと感激した。けど、そのくらい。探せばあるのかもしれないけど、あんまり必死で探してなくてすんまそん。
思ったのは、ファンがそのバリエーションを自作して、アーチストに「二次創作」的に公認してもらったらおもしろいぞと。度量の広いアーチストに限られるだろうけど。いや、非公認でもいいや。1981年のあのアルバムに未収録の曲、とかいう設定で。
っていうか、ビートルズが作った風の歌とかだってないみたいだから、実はむずかしいのかもね。ベートーヴェン風とかモーツアルト風の曲、ってのはあるみたいだけど。
そういえば、スティーヴィー・ワンダーが「キー・オブ・ライフ」に入れる曲を1000曲から選んだ、とか、プリンスも大量に曲作ってほとんどボツにするとか。坂本龍一が作った30曲のうち13曲しか「音楽図鑑」に入れなかったとかの話。プロだったらそういう未使用の曲って膨大にあるんだろうけど、入れなかった曲を聴きたいじゃん! ブートレグってそういう音源の流出なわけでしょ。
ボツ曲って、譜面かデモ録音しかなかったりするんだろうけど。ベートーベン第十交響曲みたいに、残されたスケッチ譜面を専門家がそれらしく復元して演奏、ってあるもんね。残念ながら、YMOは作りかけた曲は完成させるので、ボツ曲は基本的に存在しないらしい。
(余談。ファーストアルバムに入れるつもりで作りかけてボツにされた「InDo」という曲は、細野晴臣名義で一応リリースされたことがある。これがファーストに入ってたらと考えると・・・そんなYMOはイヤダw 横尾忠則氏がYMOのメンバーになるはずだった名残なのかな?YMO結成の記者会見に締め切り日が重なって来なかったらしいw)。
偽バリエーション。たとえば、クラフトワークの「コンピュータワールド」と「エレクトリック・カフェ」の間に実は世に出なかったオリジナルアルバムが3枚あって、そこに収録されていた曲。という設定で、世界中のミュージシャンがクラフトワークの曲を作るってのとか。聴きたいな〜〜! クラフトワークも曲が少なすぎる〜。新曲ぜんぜん出さないし。
考えてみりゃ、既存の有名アーチストが作ったとしか思えないような曲を作れる人はめちゃくちゃプロだろうから、そんなことに参加しないわな。
大量の未発表の曲があっても、ちゃんと完成度を上げてリリースするにはそれなりの時間と労力がかかるわけで、もったいないと思っても時間的にそんなことやってられない。先に進むほうにエネルギーを使いたいってことでしょう。僕だって、TDW作品用のスケッチは大量にあるけど、時間的に作れる数には限りがあるわけで。
って、絵やデザインに置き換えてみれば、なんと!絵のほうでは未完成やアイディアだけだったり走り書きメモだったりの「スケッチ」が公開されることってけっこう多いよね! 特にデジタル時代になってからは、制作過程まで見れたりする。好きな画家やイラストレーターのスケッチブックを見るとやたらワクワクするってのは、それだったのかも。
よくアメリカのComic-Conなんかで有名コミックアーチストやアニメーターがスケッチ集を売ってたり、Webにもものすごい数をアップしてますが、完成作品のアニメや映画より、スケッチのほうが面白かったりする。
ピクサー映画の「The Art of」本のシリーズみたいに、有名キャラクターの形が決まるまでのスケッチとかに異常にワクワクする。パラレルワールドの来なかった未来が詰まってる感じ。どの案が選ばれたとしても、それなりの未来があったはず。でも、採用された案にはやはりそれなりの説得力があるのもわかるし。
そういえば・・・手塚治虫そっくりの画風でメチャクチャなお下劣マンガを描く人いますねw
●補足
ライムスター宇多丸氏のポッドキャストを聴いてたら、それに近いことやってる芸人さんがいるんですね。知らなかった!
作詞作曲ものまね マキタスポーツ
芸としての「ものまね/歌まね」の発展形としての「作詞作曲ものまね」。なるほどね〜〜。すごい! と感心したところで、僕が考えてたことに大きな欠陥があることが判明。
それっぽく作るにはそっくりに歌う必要があるじゃんね! クラフトワークとかのインストルメンタル曲を基本に考えてたから思い至らなかった! そっくりな曲を作った上に歌まねまでクリアするってのは、やっぱ相当ハードル高いわ。そんなのできたら、それで食えるわw
0 件のコメント:
コメントを投稿