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先週、Cintiq12インチのプレス発表会でデモしました。準備のため一週間ほど借りて使ってました。せっかくなので感想と、会場でしゃべったことを混ぜてまとめてみました。
これは、以前から冗談みたいに言ってた二つの夢が実現した製品なのです。
「タブレットPCのフタの製品化」&「intuosの描画面が液晶になった」。
WACOM Cintiq 12 WX
●小型、手軽
タブレットPCのフタっていうか液晶部分であんな薄さと小型化を実現できてるんだから、そういうのを作ってよ〜WACOMさん。って感じだったのです。今までの液晶タブレットは、たいてい据え置きとして使うものだけど、Cintiq12なら本棚にでも突っ込んでおいて使いたいときに引っぱり出して使えるし、片付けも簡単。今までは本体サイズのデカさのために必要なときだけちょっと出して使うってことがほとんど不可能だったので。いつも机の上を大きな液晶タブレットにど〜〜んと占有されるのは僕の使い方からするとちょっとしんどいと思っていたので、この手軽さはうれしい。欧米ではタブレットは手に持って使ったり膝の上で使うことが多いらしいですが、それも想定されてデザインされてるそうです。
また、液晶タブレットを持ち歩くなんて、タブレットPCを除いて完全に不可能だったけど(本体サイズは小さくても、ケーブルやコントローラがゴチャゴチャついてるのですが)、ケーブルを含めて2kgならノートパソコンと一緒に鞄に突っ込んで持ち歩くことが可能。
液晶タブレットは近くで見るものなので、解像度が粗いと描きにくい。12インチじゃ小さすぎると思われるかもしれないけど、目から15センチ先の12インチ液晶はけっこう巨大。表示は1280x800ドット(注)、近くで見ても緻密に感じます。大きな液晶タブレットでは腕全体を使って描くのに対し、12インチではシャープペンでノートに描くように使えます(以前、「10インチかそこらのタブレットPCで絵を描くのは無理」と言ってましたが、タブレットPCとCintiq(中身はintuos)のタブレットユニットは性能がぜんぜんちがいますので念のため)。
●マルチディスプレイ切り替え
ずっと冗談で「intuosの描画面が液晶になってたら最高だな〜」と言ってきたことが実現。サイズもデザインもまさに新型intuosと言われても違和感がない。小型なことももちろんですが、マルチディスプレイや描画範囲の切り替えがボタン一つでできるところがキモ。普段はintuosのような別モニタ+板タブとして使い、絵を描くときなどここぞというときにポチッとボタンを押して液晶タブレットとして使うことができる。で、またボタン一つで通常の作業に戻れる。(僕の場合、試用中に接続していたのがモニタ出力が一つしかないMacBook Proなため、仕事で使う場合にどんな具合か未検証)
●スクロール・ズーム
intuosやCintiq21インチのようなファンクションキーやトラックパッドがついてます。僕的にはキーボード・ショートカットに慣れてるため、それほどありがたみを感じなかったのだが、実際、単にスケッチをものすごい勢いで大量に描くような作業や、PainterやPhotoshopでじっくり描き込みするときに便利なようだ。
●裏のボッチ
底面の真ん中に白いゴムのボッチがついてます。これ、賢いなあ〜と思いましたよ。Cintiq12インチはスタンドを畳んで平らに置けるのですが、このボッチを軸にクルクル回せます。つまり、紙の角度を変えながら描くことが、こんな簡単な仕掛けで可能に。
(注)1280x800ドットの解像度をサポートするマシンでしか比率を正しく表示できないので注意が必要。現行Macではほとんどオーケーなはずだが、PCではサポートしないものもある(ビデオカードのドライバを最新にすると大丈夫な場合があるそうです)。