2007/10/30
Cintiq12インチ
先週、Cintiq12インチのプレス発表会でデモしました。準備のため一週間ほど借りて使ってました。せっかくなので感想と、会場でしゃべったことを混ぜてまとめてみました。
これは、以前から冗談みたいに言ってた二つの夢が実現した製品なのです。
「タブレットPCのフタの製品化」&「intuosの描画面が液晶になった」。
WACOM Cintiq 12 WX
●小型、手軽
タブレットPCのフタっていうか液晶部分であんな薄さと小型化を実現できてるんだから、そういうのを作ってよ〜WACOMさん。って感じだったのです。今までの液晶タブレットは、たいてい据え置きとして使うものだけど、Cintiq12なら本棚にでも突っ込んでおいて使いたいときに引っぱり出して使えるし、片付けも簡単。今までは本体サイズのデカさのために必要なときだけちょっと出して使うってことがほとんど不可能だったので。いつも机の上を大きな液晶タブレットにど〜〜んと占有されるのは僕の使い方からするとちょっとしんどいと思っていたので、この手軽さはうれしい。欧米ではタブレットは手に持って使ったり膝の上で使うことが多いらしいですが、それも想定されてデザインされてるそうです。
また、液晶タブレットを持ち歩くなんて、タブレットPCを除いて完全に不可能だったけど(本体サイズは小さくても、ケーブルやコントローラがゴチャゴチャついてるのですが)、ケーブルを含めて2kgならノートパソコンと一緒に鞄に突っ込んで持ち歩くことが可能。
液晶タブレットは近くで見るものなので、解像度が粗いと描きにくい。12インチじゃ小さすぎると思われるかもしれないけど、目から15センチ先の12インチ液晶はけっこう巨大。表示は1280x800ドット(注)、近くで見ても緻密に感じます。大きな液晶タブレットでは腕全体を使って描くのに対し、12インチではシャープペンでノートに描くように使えます(以前、「10インチかそこらのタブレットPCで絵を描くのは無理」と言ってましたが、タブレットPCとCintiq(中身はintuos)のタブレットユニットは性能がぜんぜんちがいますので念のため)。
●マルチディスプレイ切り替え
ずっと冗談で「intuosの描画面が液晶になってたら最高だな〜」と言ってきたことが実現。サイズもデザインもまさに新型intuosと言われても違和感がない。小型なことももちろんですが、マルチディスプレイや描画範囲の切り替えがボタン一つでできるところがキモ。普段はintuosのような別モニタ+板タブとして使い、絵を描くときなどここぞというときにポチッとボタンを押して液晶タブレットとして使うことができる。で、またボタン一つで通常の作業に戻れる。(僕の場合、試用中に接続していたのがモニタ出力が一つしかないMacBook Proなため、仕事で使う場合にどんな具合か未検証)
●スクロール・ズーム
intuosやCintiq21インチのようなファンクションキーやトラックパッドがついてます。僕的にはキーボード・ショートカットに慣れてるため、それほどありがたみを感じなかったのだが、実際、単にスケッチをものすごい勢いで大量に描くような作業や、PainterやPhotoshopでじっくり描き込みするときに便利なようだ。
●裏のボッチ
底面の真ん中に白いゴムのボッチがついてます。これ、賢いなあ〜と思いましたよ。Cintiq12インチはスタンドを畳んで平らに置けるのですが、このボッチを軸にクルクル回せます。つまり、紙の角度を変えながら描くことが、こんな簡単な仕掛けで可能に。
(注)1280x800ドットの解像度をサポートするマシンでしか比率を正しく表示できないので注意が必要。現行Macではほとんどオーケーなはずだが、PCではサポートしないものもある(ビデオカードのドライバを最新にすると大丈夫な場合があるそうです)。
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11 件のコメント:
ますます欲しくなってしまいますっ!
液晶タブレットはずっと欲しかったのですが
値段と大きさに諦めていましたが
まさに理想のが出てきましたね。
しかも使用された吉井さんのお墨付きとは☆
帰国したら速攻買いに行きます♪
これで作業効率もUP!?
keiさんへ〜
これが一台あるのと無いのとじゃ、たぶんデジタルで制作することの意味が変わってきますよ。普通の板タブで描くのに慣れてる人でも必ず何らかの脳内補正作業してるわけで、画面に直接描くよりは効率悪いはず。
まあ、ツルツルの感触はビニール等で調節しても満足できないんで、intuos+カッティングマットの書き味の心地よさは捨てがたいのですが。
これは使ってみたいですねぇ。
12インチなら私のオフィスでも使えそうです。
出張ライブドローイングが結構あるので、今までは携帯性からFAVOを使っていたのですが、これなら持ち歩きもできそう。
paintmonsterさんへ〜
>>12インチなら私のオフィスでも使えそうです。
そーそー。机が無限に広かったらCintiq21インチでもシネマ30インチでも何でも並べ放題にして仕事してやろうかと思いますけどね。12インチはありがたい。
凄く使いやすそうですね~
こんな感じのタブレットPCがほしいっす!
ファンクションキーの付いたタイプってありませんよね・・・・・・・・(ZBrushで凄く使うです)
oritaさんへ〜
使いやすさ・ラクさで言えば、今までの液晶タブレットの中で最高クラスだと思いますよ。Mac miniかなんかで専用機にしたいところですが、ちゃんとしたビデオカードが入ってないとmodoでプロジェクションペイントできないんで。
タブレットPCはね〜、期待したんですけど、ほぼ同じコンセプトのUMPCに食われてしまいましたね。
なんてありがたいリポートでしょう!
いつもありがとうございます(^^)
このサイズのCintiq、使い勝手はどーなんだろう、よさそうな気もするけど、実際のトコロどうなんだろう...と興味津々でして、はい(^^) そうですか〜いいですか〜。「マルチディスプレイ切り替え」も良さそうですね〜〜。くく〜魅力的♪
電磁誘導式のUMPCで、絵が描けるタイプのガあれば、そんなの欲しいですが、まだまだ先っぽいですよね・・・・・・
chiyokoさんへ〜
ありがたい、なんてたいしたもんじゃないですよ。
記者発表会でヨーロッパのアーティストに使ってもらった話があったのですが、やはり同じように感じるらしく、「こんな液晶タブレットがほしかった!」だそうです。僕もそう思いました。
oritaさんへ〜
今まで散々、タブレットPCやいろんなデバイスで「おそとでおえかき」を夢見て実験してきましたが、今はっきり言えるのは「紙と鉛筆以上のモバイルお絵かきセットは存在しない」です。ほとんどの時間を外出してる人ならまだモバイルPCお絵かきは意味があるかもしれないですけど、僕なんかだと、外でやる可能性があるのはアイディアスケッチくらいですもん。むしろ、外出先ではPCを使う「仕上げ作業」より、アイディアスケッチするほうが推奨です。
oritaさんへ〜
っていうかつまり、モバイルで制作って楽しそうな気がしたんだけど、あんま楽しくなかったです。僕には。紙と鉛筆のほうがぜんぜんクリエイティブだなあ、という感想でした。
なるほど~
確かに先日市役所で待たされてる間ずっと落書きしてましたが楽しかったです~
本当の気分転換になりますたw
残るタブレットPCの可能性としては、ZBrushですよね
打合せに持って行ってその場で修整とかやってみたかったのですが、最近そこまでやらなくても良いのかなぁとか思い始めました
ZBrush見せるとみんな面白がってリクエストが異常に増えるんですよね・・・・・・・
本当に普及した時がこわいっすw
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