2015/05/13

メインツール「MODO」の運命やいかに? と、あれこれ考察

2ヶ月前、「メインソフトが開発終了したら」って話を書いたばかり。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150318140100.html >

開発終了ほど深刻じゃないけど、ちょっとツールについて考えさせられる事案発生。

「Adobeが入札したらしい」というニュースがGW前にあった。ハイエンド映像Nukeや僕のメインツールの3DソフトMODOなどを扱うソフト会社The Foundryを、親会社である投資会社が売りに出しているというニュースはしばらく前に聞いていた。数年前に買収した会社の価値が上がったから、下がらないうちに売りに出そうってことらしい。続報はないので現在どうなってるか不明。

夢想的には「MODOがAdobe Creative Cloudに含まれたら、いきなり超メジャーな3Dソフトに!」 を期待。Adobeは本格的な統合3Dソフトをラインナップに加えるのは始めてなはず。しかし、現実的には「Adobe After EffectsのライバルNukeを買い取って潰す、あるいは技術を取り込む」って線が濃厚? すると、Adobeにとっては、NUKEのおまけでついてきた、どうでもいい存在のMODOには飼い殺しの運命が……。

まだMODOがどういうことになるのかわからないし、AdobeやAutodesk、どこが買ってもユーザー的にはたいして変わらないのかもしれない。数週間後に新しいバージョンが出る予定なんだよなあ。


10年メインツールとして使ってきたわけだし、よほどのことでもない限りこれからもずっと使えるに違いないMODOだけど、時たま足元をぐらぐら揺さぶられるのは……いやー、面白いw 今やってることの根本的なところを考え直す機会になったりする。いろんなことが頭に浮かぶ。

MODOがなければ仕事が成り立たない? もちろんそんなわけないよね。世の中の3DCGの人のほとんどはMODOを使ってない。他のソフトに乗り換えても、すぐに慣れるにちがいない。MODOの作業効率の良さを思い出してはグチグチ言うんだろうけどw

じゃあ、「○○がなければ仕事が成り立たない」って最低ラインはどこなのか? といえば、まあ、3DCGソフトでなくても、Photoshopのような画像処理ソフトかペイントソフトがあれば、僕的にデジタル仕事は大丈夫。そもそもアナログ画材でだって仕事できちゃうわけで。

もっと言えば、紙とボールペンで指示書を作って、その道のプロ、あるいはクラウドソーシングに清書というか実作業を依頼する手だってある。「クリエイティブの核心部のほとんどは紙と鉛筆の段階にある説」的には、その核心部だけをやって暮らせるのが理想だなとか思ったりもする。

そもそも、キャラクター仕事的に3DCGで100%やってるのはどうなのか? という問題もある。2Dのほうがぜんぜん自由だし使い道が多いのは間違いない。Painter時代に2Dでのキャラクター仕事はいくつもやったことあるけど、当時はポーズや表情のバリエーションを作るのにいちいち全部描かなくちゃいけないので、たいへんだった。3Dで基本形を作って、ポーズ取らせればラクなのにって。やってみたらまったくラクじゃなかった。2Dの十倍以上大変w

あらためて2Dをやるなら、Adobe Illustratorとかのベクター系だな、とは以前から思ってた。切り絵的レイヤー構造やベジェをいじるのは苦手なんだけど、シンプルな形を納得行くまでいじり倒すならベジェだろう。そのへんはポリゴンやポイントをちくちくいじって形状を磨き上げていくのに似てるし、そういう作業は好きだから。

で、世の中の3Dキャラクターの大半には元の2Dキャラクター絵があって、アニメーションなどの必要から3Dに起こしたもの。僕も仕事の3Dキャラも使い勝手上、2Dに描き起こす必要がときたまある。じゃあ、最初が3Dの僕のキャラを、逆に2Dに落とし込むのってアリじゃん! 3Dのトレースじゃなく、平面キャラクターにアレンジする。それを思いついたのは数年前なんだけど本格的には試してなかった。

昨年12月の香港のクリスマスディスプレイで、向こうのデザイナーが2Dで書き起こしたTDWキャラが印刷物等で使われてて、「これこれ!これをやりたかった!」って思ったのでした。3Dと2Dがもともとセットなら、使いやすいよね、と。ぜひやろう。
< http://www.yoshii.com/dgcr/hongkong2014-dgcr02.jpg >

などなど、以上、The Foundryの話をきっかけに考えたあれこれでした。

TDW_2708