2025/08/14

最近観た映画メモ「火垂るの墓」他


「シェーン」の次にこの「火垂るの墓」を見て以来、1ヶ月も映画を見れてない。8/15のタイミングもあるのでメモをアップしてしまう。

●火垂るの墓(1988年) 1:29 日本 Netflix

とにかくキツい映画とのことで、実はこれまで怖くて一度も観たことがなかった。Netflixで配信が始まったので、この機会に挑戦してみようかと。監督:高畑勲、原作:野坂昭如

神戸大空襲により母を失い焼け出された14歳の清太と4歳の節子。海軍の父は巡洋艦で出征中で連絡がつかない。二人は親戚の家に引き取られるも冷遇に耐えられず飛び出し、溜池の防空壕で暮らし始めるが……という話。原作は野坂昭如の体験に基づくものだそう。

やっぱキツかった。さすがに隅々まで神経使って全力で描かれてることがよくわかる。感情が昂ったシーンの表情の移り変わりは圧巻。衰弱していく節子の情け容赦のない克明な描写も(アニメとして見れる範疇を超えてしまい、我に帰ってしまう)。

「大人になってから観ると叔母さんの見え方が変わる」という話をよく聞くが、大人で初めて観た僕的には、確かに叔母さんの言動は冷たく見えるけど、非情な現実でしかないのはわかる。清太には「もう少しうまくやれよ……」と。

結局は、恵まれた家庭で育ったがゆえに、他人にうまく頼るしたたかさを持てなかった清太の限界か。父が戻る前提だったため切迫感がなく、人間関係構築や置かれた状況でやるべきことを見出せない無能。これは恐怖だ。なのに、嬉々として火事場泥棒を行う清太。節子があまりに不憫。

・「僕は死んだ」から始まり、その死者本人がそれまでの経緯を語る形式→「サンセット大通り」(1950年)や「アメリカン・ビューティー」(1999年)。本来、回想形式は物語の最後まで本人は無事に生き延びたという安心感があるわけだけど、逆に最悪の結果を提示してからの、ということ。

・母の貯金の七千円は今の価値で一千万円前後だそう(戦後のインフレで無価値になるものの、まだ時間の猶予はあった)。そのへんを活かせなかったのは、やはり子どもだったということなんだろう。作中では、配給制度のため金で食糧は手に入らない描写もある。配給を行う隣組制度から自ら飛び出てしまった。

・海軍関係者が清太たちを放っておくはずがないという話もあったりするけど、誰にも連絡とれない行方不明状態ではどうしようもない……。

・防空壕の池は実在するニテコ池で、ユニークな形の取水塔も描写されてる。終盤に出てくる豪邸は松下幸之助宅らしい。

・1988年4月に「となりのトトロ」と同時上映だったのに、当時はまったく気づいてなかった。「未来少年コナン」以来、宮崎駿の新作を心待ちにしてた割に、「トトロ」が引っかからなかったのなぜだろう? 仕事が忙しかったのかと思ったら、そもそもあまり宣伝されてなかったらしい。

●X-ファイル(シーズン1 後半)

あれ?どういうわけか17話までをシーズン1と思い込んでたけど、24話までだった。25話からがシーズン2。「刑事コロンボ」のシーズン1が17話までだったから混同したようだ。

18 奇跡の人

伝道師が「息子」と呼ぶ若者は、本当に奇跡を起こして不治の病を癒し、人気を集めていた。ところが、ある時から彼が触れた患者が連続して死んでしまうようになる。殺人事件として現地の保安官がモルダーとスカリーに協力を依頼。若者はモルダーにも行方不明の妹の姿を見せるなどして信頼させるが……という話。

「若者の起こす奇跡」は当然あるものとして描いてるのが面白い。それを背景にミステリー仕立ての話となってる。「動機」には少し首を傾げるけど、面白かったです。

19 再生

モンタナ州の農場で、ネイティブ・アメリカンの若者が野獣と間違えられて射殺される事件が発生。昔にも同様の事件があったことをつきとめたモルダーとスカリーはネイティブ・アメリカンの町を訪れる。伝説によればマニトウという怪物が定期的に現れる……という話。

「狼男」とは言ってないが表現はほぼ狼男。保安官は「ツイン・ピークス」のホークを演じた俳優! インディアン役の俳優たちは重みがあってよかった。

20 闇

林業の労働者たち30人が忽然と消え失せる事件が発生。モルダーとスカリーは以前にも同じような事件があったことをつきとめ、森林レンジャーのメンバーとともに山奥の現地へ向かう。緑色の小さい虫が大量発生し……という話。

モルダーとスカリーが完全に犠牲者になってしまうという珍しいエピソード。過激な環境保護団体と森林レンジャーの絡みもあって面白かった。虫が細かい緑色の点々で表現されるのだが、やはりCGが未発達でイマイチ。

21 続スクィーズ

30年ごとに現れる肝臓を狙う密室の殺人鬼ユジーン。逮捕されたものの、保護観察付きで釈放。モルダーはユジーンが冬眠に入る前にまた殺人を犯すと予想し……という話。

Xファイル課をつぶすそうとするような副長官に対し、モルダーは根性でねじ伏せるような捜査で成功、カタルシスがある。よかったです。ユジーンの俳優がキリアン・マーフィーに見えてしかたないw

22 輪廻

警察署内、保護した少女を調べていた刑事が殺された。また別の場所での死亡事件の現場にもその少女がいた。念力で殺人を犯すことが疑われた8歳の少女は、過去の事件と関わりがあるようだ……という話。

輪廻をテーマに、過去に殺された男が少女として生まれ変わって復讐を果たす。

23 ローランド

航空技術研究所の研究員が相次いで亡くなるが、最初に亡くなった男の研究がなぜか継続されていた。知的障害のある清掃員が疑われるが……という話。

血縁による霊的なつながりをテーマにしながら、将来甦らせるために冷凍保存されている遺体とその眠る精神とを結びつけたSF。おもしろかった。

24 三角フラスコ<終章>

警察に追われた男が撃たれたまま港に飛び込み行方不明に。ディープスロートから情報を得たモルダーは捜査を始め、地球外生命体に関する大きな秘密に触れてしまう……。

「終章」として、今までの謎やスカリーとの確執などいくつかが解明される一方、抗い難い「力」の存在も思い知ることになる。見応えあった。

え?という終わり方するけど、シーズン2以降もちゃんと続くので、そこは引っかかるところじゃなかったりするw

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