2012/04/29

蛇腹ノートアプリと、巻紙ノートアプリ

●蛇腹ノート「Paper by FiftyThree」
ずいぶん話題になってるPaper by FiftyThreeっていうiPad用お絵描きアプリ。FiftyThreeは、頓挫したタブレット端末の開発に関わったマイクロソフトの元社員が立ち上げた会社だそう。

超がつくほど素晴らしい使い勝手! っていうか使ってて超キモチイイ! モレスキン的なノートをアプリ内に何個も作成でき、ノートを選ぶと中身が蛇腹状に開いて全ページを信じられないほどスムーズに閲覧でき、二本指ピンチアウトで拡げるとそのページが開く。途中で他のページを見たかったら二本指ピンチインで蛇腹状に戻り、一本指スクロールで閲覧。どのページにもスッと移動、全体を見渡すのも同じ操作の中。二本指で巻き戻すUNDO操作が新鮮。

紙のノートを模してページをめくれるようにしたアプリは無数にありますけど、蛇腹ノートをモデルにしたことの勝利! モレスキンにも蛇腹タイプがありますが、Paper by FiftyThreeの使いやすさはもしかすると紙のノートを越えたかも。

SketchBook Proなどのスケッチアプリを使い慣れた僕的には「拡大縮小表示」はおろか「ブラシサイズの調整」もできないし色数も9色のみなので、本格的に使うにはかなり不満。でも、逆に限定されてるからやれることが定まるという利点もある。この心地よい使い勝手は放っておくにはもったいなさすぎる!

書き溜めたノートは「モレスキン丸ごと一冊が作品」に似た感じがあり、時間をかけて「すごいノート作品」を作ってみたくなること請け合い。ところで、無料アプリってことになってるけど、実は6種類のペイントツールのうち4本は有料。一個170円。結局全部買うことになるわけだけど。

●巻紙ノート「Sketch Rolls」
しばらく前に知ったSketch Rollsというアプリも面白い。こちらは名前のとおり「巻紙、ロール紙」状のノートです。ノートはいくつも作れるし、ロール紙の端まで来たらはどんどん足して長くできる。ペンはシンプルな一種類だけですがサイズや色は変えられますし、消しゴムもあります。こちらもズーム表示はできないです。

ロール紙状のスケッチ・ドローイングアプリがほしいと思ってました。アナログでも、ページめくり式のスケッチブックやノートはアイディア出しに向いてないのです。紙の端っこやページという単位での断絶があるし、他のページを参照するにはページをめくらなきゃいけない。その点、ロール紙では少なくとも横方向の断絶がない。IKEAで子供のラクガキ用にロール紙と専用台を売ってるけど、アレかなりほしかった。

アナログのロール紙は場所をとるし、紙を回して描けなかったり、すでに巻かれてしまった部分を閲覧するのがかなり面倒。Sketch Rollsではスクロールが簡単なのでそのあたりは紙のロール紙を越えている。横スクロールのみってのは一次元の動きなのでシンプル。単に広さなら、Adobe Ideasでペンサイズを最小にして描くと数メートルの正方形の紙相当の広さを使えるのですが、こんどは探す範囲が二次元だからiPad画面では迷いがち。

ただ、Paper by FiftyThreeが登場してしまった後では、ロール紙ノートの閲覧や開閉の点で使い勝手が劣って見えてしまうのは残念かな。でも、他のノートアプリはもちろん、Paper by FiftyThreeでさえ「描いてるときはページや見開きの範囲に拘束される」わけで、左右方向に断絶がないロール紙は強力です!

2012.4.9

2012/04/23

超小ネタ集

●キャラクターデザイン仕事。ちょっとムリヤリな変更依頼があって作業してたのだけど、やってみたらスゲ〜イイ! これだから人の意見が入ると面白い。思わぬ要望を取り入れると、それをどうにか消化する過程で化学反応が出ることが多い。普段は自分の好みの世界から出ないから、人の意見で殻が破れるんだろうね。「こっちは専門家なんだから任せてよ〜」とか思ってても、意見を取り入れたほうが結果がいいこと多いのは確かです。人の意見大歓迎! 化学反応大歓迎!

●最近はもっぱら紙にラフを描いてます。色鉛筆と鉛筆とサインペン。スケッチやラフ描きで、液タブにできて紙と鉛筆にできないことといえば、つきつめれば「拡大・縮小・回転」くらいなんだよね。長いことデジタル狂信者だったけど、iPadや液タブとくらべて紙と鉛筆のコストパフォーマンスと性能比は異常! くらいには考えられるようになってきた。たとえば今コンビニでノート一冊とボールペン一本買ってくる。300円くらいか? それでノート一冊びっしり描きつぶすのに何週間かかるか。デジタルだとそのへんかなり頼りない。

●発注側のみなさん。イラストでも写真でもデザインでも、Webとかでよさそうな人いたらどんどん連絡してみてくださいよー。なんか、コネがないと発注できないって思ってる人が多いようです。僕の場合も二つも三つも知り合いのつてを辿って話が来たことがある。みんな、コネがない人にも発注してもらおうと思ってWebサイト作ったりイラストレーションファイルに出してるのです。突然電話しても、ほとんどのクリエイターはこわくないですし〜。

●パブーの電子書籍はPDFなので管理がラクで良い。プロテクト的の代わりになんとPDFにメールアドレスが埋め込まれる! これは賢い方法。流出したらその人のせい。利便性は保証するから購入者の責任で管理しろってことですね。 これが広まってほしい。市販されてる独自フォーマットやプロテクトの電子書籍より、自炊したPDFのほうがぜんぜんいいって最近は思ってるくらいなのです。

「ノマドワーカーがクールだなんて幻想だ! というお話」。ノマドはおいといて、フリーランスってたいへんなんだぞってお話です。一般の会社員とかの人がノマドワーカーってスタイルにあこがれたとしても、それはフリーランスってスタイルの向こう側にしかない、と。ここに書かれてる「ノマドに必要だと思われる心構えや条件」を当たり前のようにクリアしてるオレらってすごいなあと褒めてやりたいわ。

●フリーランスって人力ヘリコプターみたいなもの。必死でプロペラ回してないと即墜落。会社員は大勢で漕ぐカヌーみたいなもんか。ただし、すぐ後ろが滝。一人がちょっとサボっても沈まないけど、みんながサボると真っ逆さま。

●今はiPhoneやスマホに全部入りだけど、昔想像してたのはラジカセベース。テレビがついてラテカセってあったし、鍵盤がついたラジカセもあったな。CDがついて、さらにビデオがついて電話がついてFAXがついてコンピュータがついて・・・とか。中学3年まで頃は自前のメカといえばステレオラジカセくらいしかなかった。松本零士のメーターがいっぱいあるアレにあこがれて、ラジカセを中心としたメカニックなメーターだらけの部屋を想像してた。メーターに何の数値が出るのか知らんけどさ。あと一歩だったのにな、ラジカセベース文明。

●「ショートカットを手が勝手にお寿司〜」。あ、「手が勝手に押すし〜」と打とうと思って誤変換。なんかカワイイ。
2012.4.23

メキシコの無料PDFデザインマガジン「inkult」に掲載


Inkult yoshii

メキシコの無料PDFデザインマガジン「inkult」に作品とインタビューが出てます。自分で英訳したテキストを元にスペイン語になってるので内容はちょっと不安。119ページにTDW作品3つをモンタージュしたものがあって、勝手に切り刻むんかい!とか思ったけど、おもしろいので許す。たくさん載せてもらった中のスパイス的一点ですね。
2012.4.23

2012/04/16

Things Macを復活してみた

以前OmniFocusの鬼軍曹のような厳しさに挫折した後、同様のGTDアプリ、Things Macを使ってみたことがあります。使い勝手はかなり気に入ったのですが、残念ながら同期機能がなかったため本格的に使うには至らなかった、ところまでをデジクリに書きました。実はその後、Dropboxにライブラリファイルを入れておくことで同期できることがわかり、昨年の夏頃までかなり長い間使ってました。半年弱くらいかな。

グラフィック薄氷大魔王[234]やっぱToDoリストは必要だな

気に入ってたのになぜ使わなくなったかというと、根本的なところで意志の弱さってのはおいといても、GTDをできるだけ忠実に実行しようとして疲れちゃうわけです。「思いつく限りのToDoを書き入れる」のと「一つの仕事を多数の段階に細分化」ってアレです。

ものすごい入り組んだ仕事でなければ、たいていの仕事の手順はそれほど複雑じゃないです。仕事名と締め切り日だけだけで済むものを細分化したからといって効率が上がるわけじゃないですね。「もしかしてThingsを使うことで逆に効率落ちてる?」って思うようになりました。

あと、忙しくないときには「クローゼットの中の整理」とか「段ボールを畳んでおくこと」とかのどうでもいいToDoを延々書き連ねるようになり、みるからにしょーもないリストになっていくのが耐えられなかった〜〜。

Omni FocusとかThingsでちゃんと真面目にGTDを実践して成果を上げるような意志の強い人は、そういうソフトなしでもやっていけるに違いない。GTD系アプリって、まず「項目をもれなく入力」ってハードル。次に「実行して評価してアップデート」ってハードル、さらに言えば「記入したことを本当に実行する」って大ハードル。これらをクリアできてる人はすごい人だ。

とはいえ、使わなくなった後でも仕事がいろいろ立て込んできてスケジュールが混乱してくるとThingsを復活させてみたくなる。わけのわからなくなったスケジュールを半ば自動的に「次はこれやりなさい」って提示してくれるGTDアプリは「気を楽にしてくれるアプリ」って部分もあるのです。

久しぶりに起動すると「223日経過」とか「182日経過」とか項目がうじゃうじゃと出てくる。前回放り出したままだ。まっさらからスタートするためにライブラリを新しく作ってみたものの、あああ! やっぱダメだ。項目書き出す前にものすごいプレッシャーが襲ってくる。

ToDoリストだの何だの考えてるときってのは、キケンな魔の時間なのだ。 スケジュールを立てたりToDoリストを作ってると仕事してる気分になりがちだけど、ほとんどの場合「時間食うばっかで何の役にも立ってねえ〜〜!」。 そんなことやってる間に手当たり次第にちゃんと進めたほうがマシだ! Things復活・ヤメた・復活・ヤメタを数回繰り返したあげく、2ヶ月くらい前からどうやらまともにThingsを使えるようになりました。

以前の失敗をしないために気をつけたのが「必要以上に仕事を細分化しない」と「仕事以外のことは書かない」ってこと。リストの項目が多くなるほどウンザリ度が上がります。

それと、現在継続して使えてる大きな理由。以前は気がついてなかった「左側の『実行中プロジェクトリスト』をドラッグして手動で順番を変えることができ、それは『次』項目の表示順序に反映される」がわかったこと。項目が増えたとき「次」項目に何がどの順番で表示されるかだけが頼りなのです。今やらなきゃいけないギリギリ締切仕事に混じって無関係の「筆記用具を整理する」とかのくだらないToDoがリストを占領するのにガマンならず、それがThingsを使わなくなった大きな原因だったんです。

つまり、優先度と期限を切り離して扱えるってことです。この数日の間にやっちゃおうと思う仕事を「実行中プロジェクト」の上部に置き、今考えたくない項目は下げてしまう。すると「次」項目リストでは下のほうにはみ出して見えなくなっちゃうので好都合! あと、プロジェクト名に点線「-------------------------」だけ入れておいて、優先度や待機中など区分けもできます。点線だけのプロジェクトは「次」項目リストには表示されないのもイイ。

一つの仕事はせいぜい4〜5個くらいまでの細分化に留めておく。僕の場合シンプルな仕事だと「ラフ作成」「3D作業」「仕上げとチェック」くらい。それ以上細分化すると他の仕事と合わせてリストが混乱してくる。それらに無理のないように期限日をつけ、終了したら消していけば自動的に「次」項目にせりあがってくる仕組み。ときどき途中経過や進度をチェックして日付の微調整をする程度のメンテナンスをすれば、「スケジュールを考える」ってこと自体をしなくてもよくなる。

よくやる失敗としては、緊急じゃないものをちょっと早め予定で入力してしまい、実行できなかったら日付を変更して遅らせていく。すると、複数のやり残した項目が結果的に月曜日にびっしり集中してしまったりする。そうなるとスケジュールもペースもあって無いようなもの。締切の数日前に完成!なんて欲張らなくてよし、ですね。

で、「マルチスレッド方式」とThingsのコラボです。期限や優先度で「実行中プロジェクト」の順番を適切に並べかえたら、「次」項目リストに並んでる上から3つを自動的に「マルチスレッド方式」でやるわけです。優先度に間違いがない限り、リストの上位3個をもうホントに機械的に無感情に問答無用でヤルってこと。これがうまく機能してると、ドンドンはかどって爽快です!
2012.4.16

2012/04/02

Photoshop CS6ベータを入れてみた

2ヶ月間試用できるPhotoshop CS6のベータ版を入れてみた。僕はまだCS4を使ってますが、サブスクリプションに申し込むかどうかがこのPsCS6の出来如何にかかってるのです。ランダムに書いてみます。

(以下すべての項目の頭に「すでにCS5で搭載済みだったかどうか知らないけど」があるものとしてください〜。)

ユーザーインターフェイス・・・起動すると黒っぽいインターフェイスにアプリケーションフレームがデフォルトで面食らうけど、これは設定で変更可です。

ブラシカーソル問題・・・さっそくブラシの検証。僕的焦点「ブラシカーソルが抜いた瞬間に一瞬矢印カーソルになって踊り狂う問題」は解消してます!やった!これで安心してCS4から移行できる。僕以外に「ブラシカーソル踊り狂い問題」って気にしてる人ほとんどいないようだったけど、Photoshopでシャカシャカとスケッチする上では大問題なのでした。ここが直ってれば他の新機能とか実はどうでもいいです。

PhotoshopCS5が出てカーソル問題が判明して以降の2年間、Photoshopの代わりにスケッチに使えるソフトをどうしようって問題が頭にずうっと鎮座してたのが消えた。Painter復活もSketchBook Pro復活も白紙ってことで。

高速化された描画・・・液タブを繋いだMBA11インチにPhotoshopCS6を入れて描いてみた。「描画速度が高速化」だそうですが、実感。従来、液タブでのCS4のブラシは反応が遅くて抜いたストロークが空中で引きずられることがあったけどCS6ではきれいに抜ける。確かに高速化してる。

傾き対応ブラシ・・・ペンタブでペンの傾きに対応したブラシが入ってます。Painterぽいペンの傾き表示まである。

「ブラシやその他の詳細情報」・・・option+controlでブラシサイズを変更するとき、硬さと不透明度の情報がそばに出るのはありがたい。他の様々なツールでもそばに情報が表示されるようになってるようです。

切り抜きガイド・・・切り抜きのときにグリッドや三分割などガイドが出るのは便利!

自由自在ズーム・・・command+スペースバーを押したままドラッグすると、3Dソフトのズームのように無段階でリアルタイムに拡大縮小表示できる! 何がいいかというと、拡大縮小ズームが面倒でなくなるのだ! 画面上の小さい部分を描くために大きいタブレットを使うほうがいいってのがなくなる。拡大して描けばいいので。また、部分を作業していて一瞬だけ全体を見渡したいときにも便利!

ゆがみフィルタ・・・えらい単純になったな。と思ったら詳細モードもあるのか。ゆがみブラシサイズがショートカットで調整可能になったのはいいな。

自動保存・・・環境設定に「復元情報を次の間隔で自動保存」ってのがあるぞ。10分とか30分とか選べる。自動保存5分にして、5分たったら強制終了かけてみた。Photoshopを起動しなおすと、保存してない作業も含めて復元されました。こりゃなかなか強力!!

3D機能・・・ローポリOBJを読み込んでみた。信じられん! これPhotoshopの中だぞ! グリグリ動かせるしライトの方向もこんなハンドルが出てやりやすい。

プロジェクションペイントもできる。これ、3Dテクスチャペイントできないソフトを使ってる人にはかなり強力なんじゃないか? でも、UV展開は他のソフトでしなきゃならないし、どうしてもPhotoshopのブラシが使いたい場合くらい。

Photoshop内ではペイントとレンダリングはできますけどモデリングはできないです。インテリアデザインとかで3Dオブジェクトを作って部屋に配置してレンダリング、って用途には使えると思います。っていうか、今回ちょっと進化しただけで、3D機能自体はずいぶん前から搭載されてました。テクスチャペイントも以前からできました。Photoshopの3D機能ってたぶんかなり3Dの経験がある人しか使えないし、そういう人は専用ソフト使ってるはずだし。機能的にはすごいけど、立ち位置がよくわからない機能ってとこか。

残念な点その1 「カラーピッカー」・・・やはりペイントに使えるカラーピッカーはつかなかったか。control+option+command+クリックで出るHUDカラーピッカーは前バージョンのまま、色相と明度+彩度を同時に選べない不思議仕様はそのままみたい。さらにスペースバーを押すことで選んでいる途中で色の固定はできるようだけど、4個もキーを同時に押せるかい! そんなややこしいことじゃなく、ショートカットを押してる間、出たままにしておければいいのに〜。

ver.7でブラシがまともになった時点で、ちゃんとしたカラーピッカーをつけるべきだったのに、何やってるんだろう? 標準のが使いやすいと思ってる人なんて一人もいないと思うのだが。幅5mmの明度色相の帯とスライダ3本で素早くちゃんと色を選べるわけない。それが嫌なら本格カラーピッカーをわざわざ出さないといけない。せめてOSXやWIndows標準のカラーピッカーを出しっ放しにできるといいのに。

とりあえず、PhotoshopにPainter風のカラーピッカーを追加する「Painters Wheel」はCS5用がCS6でも使えるので助かる。

残念な点その2 「タブのサムネール」・・・今回もやはり、開いた画像のタブにサムネールはつかない。タブは作業がコンパクトにできるから便利なのに、開いてる画像をExpoeやMission Controlで一覧できないのが不便。

・・・以上、僕的使用の範囲でのレポートでした。僕的には大満足です。で、新機能って何?

蛇足。CS6を入れたのが原因とは断定しないけど、Finderのプレビューアイコンが出なくなったり低解像度版になってたり非常に調子が悪い。再起動すると直るものもあるけど、やがて元通りに。変なユーティリティとかデモ版ソフトとかいっぱい入れてるのが主な原因とは思うけど・・・。
2012.4.2

2012/03/28

白バックと角版

TDW_2120。白とSSSのピンクの鏡面反射と白飛びしないよう調整に異常に手間取った〜。白バックって簡単と思うだろうけど、バックの白が飛んで床の影は滑らかに残した上で、オブジェクトの立体感をきっちり出すってけっこう微妙な作業なのでありますっ。

イラストを切り抜き状態にして白バックってのはPainterの昔からずっとやってるけど、そもそものルーツは雑誌の図版でブリューゲルだのボッシュのキャラを切り抜きで使ってたのがあって、すんごいかっこよかった。背景を描くのが大嫌いだったし、これで行こう!ってのが最初。22年前から。

あと、「角版」がキライ。絵を四角で制限されるのが不自由だと思うし。色バックでもいいんだけど、角版じゃなく自由にレイアウトできるほうがいいやって。

絵の中に、真っ白や明度彩度100%の純色はなるべく使わないようにしてる。それ以上明るくしたり派手にしたりできないから。ちょっと下げて余裕を残しておく。真っ黒は「見えなくなるほうの色」だからあまり問題になることないな。

2Dの絵のときは、「印刷可能色」をはみ出さない色だけで描くのはほとんど完璧に実行してたけど、3Dってはみだしまくり。よく、雑誌の3Dイラストとか載ってて、鮮やかなピンクのつもりなんだろうけど汚い紫っぽい陰影になっててみっともないなあ、ああいうのはよそうって思ってた。

白飛びしないようにするのが大変って話、ちょいと暗めにレンダリングして16bitで書き出してPhotoshopで調整って手もあるな。次に白っぽいものやるときそうしてみよう。

TDW_2120


花粉症の人へ、おすすめです!

花粉症がひどいとき、鼻に水を吸い込んでブーって鼻うがいをやるんだけど、水道水はカルキの刺激がきつくて何度もやってると、花粉症そのものよりツラくなってくる。あ、そうだ! カルキを飛ばした白湯で鼻うがいすりゃいいんだ! あと、浸透圧の関係もあるから、やっぱ生理食塩水的濃度の塩水だな。

塩をちょっと入れた白湯をペットボトルにいっぱい作った。鼻うがい、やってみた。大正解! 刺激がぜんぜんなく、ぬるっと洗えていい感じ!! これで鼻うがいしすぎてホゲホゲ気分になるのがなくなった! 今日はとても快適! 大勝利!

あと、なんちゅうか、鼻の中に塩水が残ってる感じは、海で泳いだ後の感じを思い出すな。三十数年も海で泳いでないな〜。
2012.3.28

2012/03/27

TDW_2119

なんちゃってライフハック「マルチスレッド方式」

仕事術だのライフハックだのいろいろ試してますけどね、あれは基本的に「気分を変えたり面倒な仕事を楽しみに変える方法」だと思います。やってみて日常の仕事に何かの刺激を加えたり、気分的にダラダラやってることが少しでもテキパキな気分になればいいです。死ぬほど忙しいときにダラダラやってるわけもないし。「立ったまま仕事」も、ちょっとした刺激の一つだし。

気の進まない仕事を楽しい仕事に変えちゃうってのはかなり重要。気分の持ち方一つで変えられることも多いです。楽しくなく一日中かかってやってる仕事が、楽しくすることに成功すると3時間で終わったりする。ややこしく面倒な仕事を自分の中で遊びやゲームに変換しちゃう。最もシンプルな方法は、自爆装置。「あと何分で爆発します」ってアレね。これをあと45分以内に片付けないと爆発する!って自分を思い込ませると、必死でのめり込めます。

あと、たいていの仕事って取りかかる前が一番気が重い。取りかかればある程度手順は決まってるので、時間がかかるって以外はそれほど気が重くなる理由はなかったりするので普通に進む。終盤近くになってくると、今度は「少しでもいい仕上がりにしたい!」「もうじき終了する!」っていう吸引力が働いて、納品しちゃうのが惜しいほどのめり込むようになる。

で、今まで試してみて効果のあった勝手流ライフハックの決定版!

「マルチスレッド方式」


普通は複数の仕事を同時には進められないですよね。まともに同時進行させたら注意があっちこっちに飛んでしまって集中できない気がします。よくばって同時進行するより、一つのタスクに集中するのが結局は効率がいいってことは当然なのですが、取りかかった直後は集中できてるけど、時間が経つとどうしてもダラけてくる。

そこで、僕がやってるマルチスレッド方式。コンピュータのCPUが非常に短い時間でタスクを切り替えて、複数のタスクを同時に処理しているように見せるアレ。キッチンタイマーで3つくらいの仕事を10〜20分程度で強制的にローテーション切り替えます。

要は、仕事に取りかかった直後のスタートダッシュだけ束ねて使うわけです。人間が集中できるのは45分程度が限度だそうです。20分以下だとかなり慌ただしく切り替えることになりますが、驚異的に仕事が進みます。ダラダラ一日中やってると何日もかかりそうな仕事が半日で片付いてしまったりする(いや、普段がダラダラな僕だからですけど)。

あと、上記のように、取りかかってないややこしい仕事があると精神的に負担なのですが、マルチスレッド方式に含めて「とりあえずの取っかかり」だけでも強制的につけてしまえば、かなりラクになります。取りかかるときは無感情で始める。手を付けてない仕事がなくなるって精神衛生上いいです。ある程度進んでしまえば吸引力も働くようになるし。

今は13分ローテーションでやることが多いです。2分休憩で1時間に4ローテーションって感じ。あとちょっとやればキリがつくのに!と思っても継続しないのがルール。中途半端で切るのは都合がいいんです。というのは、あとちょっと!のところで切ると、次にローテーションが回ってきたときの吸引力とダッシュのエネルギーになります。逆に、時間の途中でキリがついてしまうのが危険。そこで集中とローテーションが途切れてしまうことが多いので注意。

タイマーが動いている間は、ネットもメールもTwitterもしないし、トイレにも行かない!
ただし、マルチスレッド方式を丸一日きっちりやると、めちゃくちゃ疲れて脱力します。緊張や集中が途切れると何にもやる気なくなります〜。なので、忙しいとき用の伝家の宝刀として使うのが吉だと思います。そのへん、通常モードの場合にこの方式の利点だけ控えめに使うって方法を、最近Things Macを併用して始めましたのでまた書きます。
あと、最近のマイブーム。「次にやることのリストを紙に書く」。よく「仕事を細分化してチェックリストに」ってのがあるけど、実際それをちゃんとやるのは無駄が多い。大まかに分けるだけで十分。手順は書かなくてもわかってるんだから。

細分化じゃなくて次にやる項目を黄色い紙に太いサインペンで書きならべて、完了したら線を引っぱって消していく。崖をよじ登るときの足場って感じ。終わったら紙は丸めて捨てる。タッタカはかどってキモチイイです。なかなか次の作業に進まずにダラダラするのを防げます。
2012.3.27