2025/01/11

最近観た映画メモ「刑事コロンボ」 第1シーズン


年末から「ツイン・ピークス」と「コロンボ」を夢中になって観てるけど、そろそろペースを落とす。「一週間に一本。決まった曜日に観る」を2〜3のドラマのラインナップで観る(他の曜日は映画を観る)というのが、長期間楽しめて良いと思うけど、耐えられるかどうかw

「コロンボ」は主に中学から高校の頃によく見てたけど、たぶん合わせて20本程度しか見てないだろう。「新コロンボ」はもっと少ないはず。それでも、僕の中では「特別に面白いドラマ」として別格扱い。巡回図書館でノベライズを何冊か借りて読んだ記憶もあるな。

映画配信サブスクの初期にはなかなか配信されず、配信されても吹き替え版がなかったり。それで、5年ほど前にDVDボックスを購入したものの、いつでも見れるからと放ってあった。今年2025年はちゃんと見てしまおうということで。(現在はHuluで吹き替えアリで配信されてる。「新コロンボ」はボックスが出てないのでHuluで見るつもり)

50年前ともなると、見た回もほとんど忘れてる。印象的な場面やラストをかすかに覚えてる程度。途中から見た回も多いだろうし。中学生ときに見た映画なんてほぼ内容忘れてるだろうな。そういう「大昔に観たけど内容ぜったい忘れてる映画を観るシリーズ」もやってみたいw

●刑事コロンボ(1968年〜1972年) DVD

普段、「映画メモ」では重要なネタバレはしないようにしてるけど、犯人が最初からわかってる「コロンボ」は書きやすいな。出てくる俳優は大物だったり「あの!」という人が多いようだけど、キリがないので紹介は最低限にしておく。以前の「改行せずにゾロゾロッと書く」スタイルでやってみる。

・「殺人処方箋」(1968年)単発のテレビ映画

有名精神科医が財産家の妻に離婚を突きつけられた末に殺害。ピーター・フォークが見るからに若い(41歳)。コロンボ刑事のキャラクターはこの時点でほぼ完成してるものの、よれよれコートではないし、髪型が違う。共犯者の女性を追い詰めていくところなど、コロンボらしくないような激しさや凄みがある。面白かった。ラストも「うわ、やられた!」って大満足。小池朝雄の吹き替えはもう最高。ピーター・フォーク自身の声は、詰まったようなおかしな声。「名探偵登場」でフォークがモノマネで登場してたハンフリー・ボガートに確かに似てる。

・「死者の身代金」(1971年)シリーズ化に向けてのパイロット版

弁護士の女性がやはり弁護士の夫を殺害。犯人の女性の冷たい人間性や鉄面皮を鑑賞するドラマ。コロンボのキャラはほぼ完成してる。豪邸や自家用機の飛行シーンなど絵面も豪華。娘のキャラクターもイイ。後半ちょっとやりすぎで、ちょっと不自然。最初の2本がどちらも「犯人に近い人をコロンボが操る」的。

1「構想の死角」(1971年)

シリーズ第1話。24歳のスピルバーグが監督(「激突!」と同じ年)。袂を分かった推理小説家コンビが片割れを殺害。普通に面白かったけど、さすがスピルバーグ!って感じが薄いのは脚本のせいか。「ここ、コロンボがツッコむぞ」な箇所が見えすぎたり、なぜソレを見せておかない?とか。事件現場で大勢の警官が右往左往してたり野次馬がいたりする場面、人物にカメラが寄る感じ、などにスピルバーグ味を感じた。全体、広角使ったアップなど構図がクドいw (ファーストショットはめちゃかっこいい) 雑貨店店主女性の恐怖の顔のアップは絶品。あと、地面にマイクの影がw(「激突!」でも電話ボックスに監督本人が映り込んでたし、早撮りの弊害か)。ところで、コンビの片割れの「書かない作家」っても表に出る営業や広報を担当した結果売れのなら引け目に感じるようなものじゃないけどな。どんなクリエイターだって制作パートと営業パートがあるんだから。

2「指輪の爪あと」(1971年)

探偵社の社長が依頼主の夫人を脅迫するが開き直られ、誤って殺害してしまう。コロンボの手の込んだ罠にまんまと乗ってしまう犯人、痛快! これまでのような不自然さややりすぎ感がなく、スタイルが完成された感じ。ラストのいたずらの話は覚えてた。クルマの排気管を見るたびに思い出してたもん。犯人役のロバート・カルプはコロンボで何度も犯人やってるとのことで、今後も楽しみ。倒叙ものとはいえ、邦題がネタバレすぎないか? 

3「ホリスター将軍のコレクション」(1971年)

国民的英雄と呼ばれながらも不正取引で私服を肥やしていた元将軍、高飛びを図ろうとした共犯者の大佐の殺害をヨットから偶然目撃した女性がいた……という話。女性が将軍に絡め取られるのも興味深い。「先手を打つことが勝利の秘訣」の行動なんだろうけど、墓穴を掘ってばかりでは?w 5本目にして初めて被害者の死体を恐怖の対象として描写。

4「二枚のドガの絵」(1971年)

叔父の集めた名画を相続するために完全犯罪を目論む美術評論家。めちゃ面白いし、鮮やかすぎるラストシーン! もう一件も詰めてほしかったなw これをスピルバーグ監督作品だと長い間勘違いしてたのだった。元夫人のキム・ハンターは「猿の惑星」のジーラ博士! しかし見始めて6本目ともなると、毎度の「犯人の余計な行動と浅はかさ」が見えすぎてしまう。そんな複雑な手順が上手く運ぶわけないじゃん、とか。ふと思ったのは、指紋を拭かれちゃってたら? あと、ドガの絵が二枚である必然性がない? 原題は「Suitable for Framing(額装にふさわしい)」。犯人を罠にはめるとか包囲して追い込むとかのダブルミーニングらしい。

5「もう一つの鍵」(1971年)

広告会社社長の兄に部下との交際を反対された女性、強盗を撃ったと装って兄を殺害。思い描いた念入りな準備がことごとくダメになってるのに決行してしまう無謀……。証拠だらけなのに意外に手こずるコロンボ。醜い本性を現していく女性の変化が見どころ。ところで、始まってすぐ出てくる俳優についてネタバレ勘弁、「信用ならない男」と呼ばれた交際相手がレスリー・ニールセンだったら、「そりゃそうだ」と思うしかw (コメディ映画に出るようになる前です)。あと、「ガチョーーーン」もあるよw 広告会社のビルは2話「死者の身代金」の弁護士事務所と同じビルなのは気がついたw

6「死の方程式」(1972年)

亡くなった化学メーカー前社長の道楽息子、買収騒ぎに乗じてジャマな叔父の現社長を自動車事故を装って殺害。決定的な証拠が少ない中で、いつものようにコロンボは罠をかける。従来、犯人は敗北を悟るとき感情を露わにしないんだけど、今回はまんまと引っかかる犯人が死ぬほど焦る様子が見ものw 野沢那智の吹き替えがいかにもな感じに時代がかっててちょっとウザいけど、元音声を聞くとちゃんと似せてる。ロディ・マクドウォールは「猿の惑星」のコーネリアスとシーザーを演じた人(マスオさんの近石真介が声を当ててた)。「二枚のドガの絵」のジーラのキム・ハンターもだけど、顔のシルエットが細くて特殊メイクしやすい顔と言えるかも。被害者の叔父役のジェームズ・グレゴリーはゴリラのアーサス将軍を演じた人とのこと。

7「パイルD-3の壁」(1972年)ここまで第1シーズン

有名建築家、無断で進めた都市計画に反対するスポンサーの富豪を亡き者とし、行方不明と見せかける。音楽の趣味の違いがネタになってて面白い。現夫人と元夫人が登場してそれぞれの立場からいろんな証言したり勝手な行動してしまったり、動きがあって良いな。何もピンポイントでその場所にこだわる必要ないのにね、とは思うけど。

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