2019/02/17

最近観た映画メモ「ドラゴン・タトゥーの女」他

勝手にしやがれ(1960年)
ドラゴン・タトゥーの女(2011年)
素晴らしき戦争(1969年)
未来世紀ブラジル(1985年)

●勝手にしやがれ(1960年)

20代前半に一度観てるはず。当時はまったくピンと来なかったけど、今回もそれほどピンと来なかったw 50代後半の今となっては「無軌道な若者」への憧れはまったく無いし、ベルモンドが幼い青二才のバカにしか見えない分、マイナスが加わるw まあ、それまでの映画とちがうのはさすがにわかる。無駄なくスムーズに物語を語らない代わりに浮かび上がる別の魅力もある。誌や文学とかカッコよかったんだろうな。ただ、ジャンプカットや粗い編集は、上映時間を短くする無理目な要請で、ゴダールがヤケクソで切った貼ったした結果という説も。あと、流れ続けるジャズがやかましくてジャマw 昔は若者の音楽だったんだろうけど。今風の音楽に差し替えたらおもしろそう。「気狂いピエロ」も19歳ときに上映会で観たけど、似たような印象だった記憶。

●ドラゴン・タトゥーの女(2011年)
面白かった! 「犬神家の一族」+「羊たちの沈黙」+「セブン」+「天才ハッカー映画」って感じ。「不気味な姿をした女天才ハッカー」でシリーズ化できるじゃん!と思ったら、ちゃんと続編「蜘蛛の巣を払う女」が最近公開されたのね。不気味でも次第にかわいく見えてくるw ダニエル・クレイグはなぜか007一本も観てないけど先日の「カウボーイ&エイリアン」同様、普通にハマっててよかった。ところで、一件落着してからもう一波乱って苦手なことが多いけど、これは良かった。ただ、冒頭の敗訴と「もう一波乱」はセ
ットなので、丸ごと削ってもいいかなとは思うw あと、小道具としてのMacBook Pro 15インチはやっぱカッコイイ。

●素晴らしき戦争(1969年)
なんでこれをリストに入れたのか忘れたけど、まったく予備知識無し。リチャード・アッテンボローの監督第一作。第一次世界大戦を描いたコメディ調のミュージカル。ラジオドラマを元にした舞台ミュージカルの映画化だそう。王族や貴族や将軍などが現実離れした架空の宮殿(桟橋なんだけど)でゲームのように戦争を始め、世界大戦を経験したことのない庶民たちがウキウキと戦争を迎え、巻き込まれていく様。戦争のシリアスな描写はせず、あくまで風刺や替え歌などの楽しいミュージカル仕立てなのだが、現実の泥沼化していく戦争とのギャップがだんだん大きくなっていって、かなり怖い。この楽しげなシーンは実際には何を意味しているとかの。象徴化された世界と現実の戦場を繋ぐカットがうまくてシビレる。ラストがすごい。もちろん、激しくなっていくベトナム戦争を踏まえた映画なんだろうけど、第二次大戦ではなく第一次大戦だからこそ、人間はいつまでバカげた戦争を続ける気なのか?的なきつい風刺になってる。ポール・マッカートニーの「パイプス・オブ・ピース」のビデオでも描かれたクリスマス休戦のエピソードが素晴らしい。

●未来世紀ブラジル(1985年)
公開当時にオールナイトで観たけど、後半は眠くてほぼラストシーンしか覚えてなかった。それでもデ・ニーロの格好良さにシビレたし、あの絶望的なラストには「ズシン」ときた。今回見直して、詰め込みすぎくらいのイメージの奔流や悪夢的描写にあらためて驚いた。先日観た「バロン」は物語の牽引が弱くてどれだけ凝った映像を見せられても空虚な感じだったけど、「ブラジル」はちゃんとおもしろいので映像が活きてる! 34年前の映画とは思えないほど。「バンデットQ」もそのうち観なおそう。あの絶望的ラストは「二人は幸せに暮らしましたとさ」にされそうになったそう。絶望だけど、解放でもあるよね。
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「ブラジル」はAmazonプライムで、Oculus GoのFirefoxと標準ブラウザで観た。「大きなスクリーンの圧力」と没入感は素晴らしいんだけど、1時間以上観てると相当目が疲れる。あと、やはり操作UIが使いにくい(表示が重くてもたつくし)。もうちょっとUIをなんとかしてくれないと、日常的に映画観る専用にするにはしんどいかな、、。観たい部分だけ大きなスクリーンで見直すのならぜんぜん良いけど。

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