2019/01/27

最近観た映画メモ「オール・ユー・ニード・イズ・キル」他

戦艦ポチョムキン(1925年)
スリーパー(1973年)
バス停留所(1956年)
オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年)

●戦艦ポチョムキン(1925年)

タイトルは知っててもたいてい観ないよねえ。「エイゼンシュタインがモンタージュ手法を取り入れて、現代の映画表現の元になった作品」ってことで大変有名。階段シーンのオマージュやパロディはよくあるけど。昔の映画評論家たちは盛んにスゴイと言ってたけど。やはり「大友克洋のマンガを読んでもどうスゴイのかわからない」という若い人と同様、現在普通になってる表現が初めて使われた作品っても、その前の時代から生きてないと凄さがよくわからない。チャップリンやキートンが大人気になったり「イントレランス」よりずいぶん後の時代ってこと考えると、「え?普通じゃん、なんでこれが?」的な。トーキー時代の直前ってことは、映画の手法はすでに相当進んでたはずで。「黄金狂時代」と同年だもん。ただ、例の階段シーンを上から移動撮影するカットは今の目で観てもカッコイイ!とは思った。内容は「戦艦の水兵たちの食い物の恨みから始まる革命万歳」で、ソ連のプロパガンダ全開。現代の目から見れば繋ぎ方などもたついたり、モンタージュ手法で強調される俳優の表情がクドすぎるものの、映像はそこそこ鮮明だし、めちゃくちゃ力が入ってることは伝わってくる。

●スリーパー(1973年)
ウッディ・アレンのSFコメディ。冷凍睡眠で200年後の全体主義になったアメリカで目覚めた男が革命活動に巻き込まれる話。SFブームの頃にテレビで観たはずなんだけど、ロボットやワーゲンや野菜のエピソードくらいしか覚えてなかった。チャップリンをやろうとしてたのかね? この時代のいくつかのSFものと同じ反体制と
かヒッピー的でありながらも、すでにそういったものに嫌気が差してる時代の空気は感じる。軽いけど普通におもしろかった。

●バス停留所(1956年)
ありゃ、大昔にテレビで観たと思ってたが思い違いだった。都会でマリリン・モンローが落ち着いた大人の演技を見せる映画って何だったんだろう? この映画はそれとは真逆。モンローと主人公のカウボーイ、二人があまりにバカであきれ果てるんだけど、次第に両方ともかわいくなってくるw っていうか二人があまりに極端なので、脇役の俳優たちが全員すごい魅力的に見えてくる不思議。特にバス停の店の従業員?の女優の子が光ってるなあと思ったら、この映画の直後に主役の俳優と結婚したそう。

●オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年)
トム・クルーズ主演のエイリアン侵略もの×タイムループもの。戦闘は素人の軽薄なヘタレ広報担当軍人がヘマして最前線に送られてしまい、戦死しては戻りの何十回何百回と同じ時間をループするうちに、経験値も知識も得て周囲があきれるほどめちゃくちゃ強くなっていくのが面白い。戦死しては戻っての繰り返し部分の端折り方が極端になっていくのが最高にオカシイww あと有無を言わせないリセットもw かっこいいヒロインは「メリー・ポピンズ」のエミリー・ブラント。「プラダを着た悪魔」のいじわるな敵役はキツい顔だったなあ。タイムループがらみのあれこれ含めて途中まで&ラストは足バタバタするくらい面白かったけど、後半のクライマックスは割と普通の「人類の運命を賭けた無理目な戦い」テイストになっちゃってるのが残念。それでも全体としてめちゃくちゃ面白かった!! 「今を全力で生きなくちゃ」的に元気が出る映画。どうしても「人間何回目?」って言葉が浮かぶw

似たようなタイムループもの、嫌ったらしいクソバカのテレビマンのおっさんが同じ一日を繰り返すうちに素敵なおじさまに成長していく「恋はデジャヴ」は原作のライトノベルも参考にしたらしい。「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」も参考にしたタイムループものだそうで、観たくなった。実は、テレビアニメ含めて「うる星やつら」って一度も観たことがない。っていうか、すべての高橋留美子作品、マンガもアニメもほぼ触れずに来ちゃった。

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