2020/01/18

最近観た映画メモ「ジーザス・クライスト・スーパースター」他

ジーザス・クライスト・スーパースター(1973年)
ダーティ・メリー クレイジー・ラリー(1974年)
日本沈没(1973年)
華麗なるギャツビー(1974年)

●ジーザス・クライスト・スーパースター(1973年)

「キャッツ」や「オペラ座の怪人」などで有名なアンドリュー・ロイド・ウェバーの出世作のロック・ミュージカル。舞台のキャストそのままで映画化。ただし、ノーマン・ジュイソン監督は舞台は観ず、レコードの音楽から構想したとのこと。イスラエルでロケ。荒野の遺跡にバスで到着した若者たちの一行がイエス・キリスト最後の7日間を再現するという趣向。ミュージカルってもセリフ部分が無く、歌のみで進行。とても楽しめた。エレキギターの真空管アンプのブリブリの音がイイ。

黒人が演じる主人公ユダが歌う部分は最高。マグダラのマリアを演じるのは日系人(Wikipediaによれば歌手として相当大きな実績ある)。イエスと使徒たち、60年代後半〜70年頃のヒッピーのコミュニティの雰囲気が強く、73年の公開時にはちょっと古く見えた可能性もありそう。っていうか、ヒッピームーブメントの葬送歌なのかもしれない。

僕的には1974年頃に「映画音楽大全集」で知ったわけだけど、まだ当時は「最新の映画」だったんだ。

ところで、「最後の晩餐」。スッと全員あのポーズになるのがおかしいw 先日観た「メル・ブルックス/珍説世界史Part1」にも同様のシーンがあったのが思い出されてさらにおかしいw

アンドリュー・ロイド・ウェバー、昔の作曲家と思ってたけど、調べたら現在まだ71歳。この映画の時、22歳! この2年前の舞台版の初演時は20歳。若っ!!

テーマ曲は「飛べ!孫悟空」で替え歌で使われてたな。検索したら、U-NEXTやHuluやParaviに「飛べ!孫悟空」
あった 。「その十 クリスマスだョ!サンタ大王」がそのエピソード。っていうか、カセットにたまたまこの回を録音して何度も聴いてたので覚えてたんだけどねw

●ダーティ・メリー クレイジー・ラリー(1974年)

強盗してクルマで逃げる若者3人を追う警察。ピーター・フォンダ主演、クソ腹立つ女はスーザン・ジョージのはまり役w 自分のせいでにっちもさっちも行かなくなって後がない警察部長のヴィック・モローを見てるだけで満足。というか、こちらを主人公として見るほうがしっくりくるかも。

ピーター・フォンダのイカれ具合の度が過ぎてて、引くw 先行する「バニシング・ポイント」と共通する部分は多い。なんかこういう放り出したような幕切れの映画って他にも当時よくあった気がする。じーーんと後を引くあちらとはちがって、虚無的にすぎるけど。

短めってこともあって、全編ダレるところがなく、面白かった。カーアクションもめちゃくちゃよかった。「バニシング・ポイント」と同じダッジ・チャージャー、「デス・プルーフ」でタランティーノが使ったやつ。監督のジョン・ハフは「ヘルハウス」の人かー。

●日本沈没(1973年)
1974年のテレビドラマ版は特撮シーンに夢中になって見てたのだが、映画版を観たのは初めて。小松左京パワーというか、ほんとにものすごいエネルギーでもって真面目に作られてるのがよくわかる。高度成長を遂げたこの時代の日本や日本人のあり方に警鐘を鳴らし、(日本が沈没しなくても)これからの日本人はどうあるべきかみたいな提言。

藤岡弘はめちゃくちゃいいけど、ドラマは弱いかな。。。ドラマ版の特撮は映画の流用じゃなく、テレビ用に膨大な量の特撮シーンが作られてたのね。今の目で見るとどうしても怪獣映画の雰囲気が漂ってしまうし、以前から日本の特撮もの戦争ものに文句言ってるように、効果音が「ズガーン、ドカーン」などテープ繰り返し使いすぎで単調でがっかりする。あと音楽も苦手。

●華麗なるギャツビー(1974年)
ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー主演。今Wikipediaで初めて知ったんだけど、コッポラが脚本書いてるんだ! 貧乏な青年、かつての恋人ですでに結婚してしまった大富豪の娘に振り向いてもらおうと、大金持になって姿を現す。

1920年代で大恐慌のバブルがはじける前の上流社会の豪華なパーティーや暮らしの描写だけでも相当楽しめる。画面的には主人公で傍観者役のサム・ウォーターストンの無味無臭さが、「そこへ連れてってくれる感」があって面白いw 中盤、ずっと想っていてくれた彼とのキャッキャウフフな甘々ロマンス大サービスって感じだけど、そこ以外はずっと不穏な感じでけっこう怖い。

裏の顔を持ってるらしいし影があるというか、普通に考えてどうかしてるギャツビー役に、明るいハンサムのレッドフォードはちょっと向いてなかったかも。要するに、ジェームズ・キャグニー演じるギャングが禁酒法時代に密造酒でのし上がったのと同じことやってるっぽい。

今の感覚なら、「社交界に登場して以来の自分の新聞記事を全部集めてるのを見せてくれる」って、ギャーー!ってストーカーの怖いシチュエーションだもんねw

そもそもミア・ファローが演じるデイジーもどうかしてる女なわけだし。その他、ブルース・ダーンもカレン・ブラックも振り切っててめちゃイイ。

2013年版も観てみたい。ディカプリオなら内心に黒いものを抱えるギャツビーにぴったりな気がする。

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