同名のゲームの映画化。ちょうど1年前に観たニコラス・ケイジ主演の「ウィリーズ・ワンダーランド」(2020年)は、似たような設定で先んじて作られた映画だけど、立場的にはこちらが本家。
監督:エマ・タミ、出演:ジョシュ・ハッチャーソン他。
あるトラウマのため挙動がおかしく、無職になってしまった男。幼い妹の養育権を意地悪な叔母に取られそうになっている。しかたなく、条件の悪い警備の仕事につく。80年代に繁盛したが今は営業していない、メカトロニクスの動物マスコットが人気だったピザ店フレディーズ。そこには異様な秘密が隠されていた……という話。
バカ映画と言われないようにがんばったんだろうけど、話の背景が欲張りすぎ。いろんな方向の要素が多すぎてバランス的におかしいと思う。要素を増やしたあげく、放りっぱなしの部分がいくつもある。肝心の動物マスコットがぜんぜん怖くないのは致命的。
原作ゲームのファンにはどう見えるか知らないけど。
・あの子たちの仲間になってるはずの、、、、そのへん何も触れられてないのはなぜ……?
・製作のブラムハウス・プロダクションズは、「M3GAN ミーガン」(2022年)、「パラノーマル・アクティビティ」(2007年)、「ゲット・アウト」(2017年)などを送り出してる会社。Wikipediaによれば、興行収入ランキングではそういった有名ヒット作をおさえ、「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」が第一位w へ〜!評判いいんだ。続編も製作中とのこと。
●ゲット・アウト(2017年) 1:43 アメリカ Netflix
上記と同じブラムハウス・プロダクションズ作品、Netflixの配信終了が12月15日ということで、観てみた。「NOPE/ノープ」(2022年)のジョーダン・ピール監督/脚本。出演:ダニエル・カルーヤ、「M3GAN ミーガン」主演のアリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード他。
黒人の若者が白人の彼女の実家の豪邸へいっしょに行く。リベラルで差別をしない両親だったが、使用人の二人の黒人は何かおかしい。大勢の白人客を招いて開かれたパーティで、不可解な出来事が起き始める……という話。
これは怖い……。たぶん、差別のない社会を築きつつあるという建前のアメリカで、強さやかっこよさなど持ち上げられる黒人、その裏に感じる不安や恐怖を増幅したような映画なんだろう。ピール監督の妻は白人、母も白人で、コメディアンとしてその立場からのネタをやってたらしい。ラストの「そうだったのか!!」はなかなかの衝撃。頼れる親友もイイ!
ただ、カラクリがあまりに整然としてるし、小規模な陰謀娯楽アクションっぽく収束するのは肩透かし喰らった感じ。と思ったら、バッドエンドの予定だったけど当時の情勢から不採用になったらしい(YouTubeでother endingが見れる)。
・あの怖い笑顔。。。「Smile スマイル」(2022年)はこの映画がヒントになったんじゃないか?
・この映画でもトラウマが主人公の行動を束縛する。ブラムハウスはそういうの好きなのか?
・あ、せっかくこれ観たんだったら前回の3つにプラスするべきだったな→「ルックバック」「ラブ・バッグ」「ゲットバック」+「ゲット・アウト」w
・日本人が白人の仲間として出てくるのは「名誉白人」的な皮肉?……なんと、この日本人、大山泰彦といって有名な空手最高師範の人だそう。大山倍達の弟子ではあるけど親戚ではないとのこと。息子がピール監督の知り合いで話が来たそう。その顛末がブログに↓
●SHOGUN 将軍 全10話(2024年)アメリカ Disney+
3月に見始めたんだけど、途中で止まってて7ヶ月くらいかかってしまったw
難破して日本に上陸したイギリスの船乗り。吉井虎長(徳川家康がモデル)という大名に取り立てられ、通訳のキリシタン戸田鞠子(細川ガラシャがモデル)とともに、当時の最高権力者の石堂和成(石田三成がモデル)など大老たちと対決することになる……という話。
出演:真田広之(プロデュースも)、コスモ・ジャーヴィス、アンナ・サワイ、浅野忠信、平岳大、二階堂ふみなど。
めちゃくちゃ面白かった。史上最も評価の高いテレビドラマってことになるのかな。8話後半のアレは鳥肌立ったなあ!
1980年版は見たのかどうか記憶があいまい。三船敏郎や島田陽子が出演の、「知らない小説家の書いた原作を元にした、欧米人の勝手な想像の戦国日本へんてこファンタジー」ってイメージだった。今回のリメイクでは真田広之ががんばったおかげで、ヘンテコ日本感はほとんどない。
その原作者ジェームズ・クラベルは共同で「大脱走」や「ハエ男の恐怖」「633爆撃隊」などを書いた第一級の脚本家なのだった。へ〜! 第二次大戦中にはマレーで日本軍捕虜になった経歴の持ち主。でも親日家で日本をずいぶん研究したらしい。
・洋画の視点での時代劇、日本人俳優たちがめちゃかっこよく見える。特に、浅野忠信、西岡徳馬、日本の俳優くわしくなくて知らなかったけど、井田裕基、平岳大も風格ある!
・真田広之って石田三成じゃん!ってイメージがある(1996年の大河ドラマ「秀吉」)w
・「え?それ必要?」なシーンや描写があちこちにあるけど、「日本を舞台にした世界標準の娯楽ドラマ」としては絶対必要なんだろうなあ。単にサービスではなく、ちゃんと後のストーリーに繋がるんだけど。
・何度も起きる地震の揺れはじめの描写がリアル! 原作がどうなってるか知らないけど、津波ではなく地滑り・山崩れにしたのは配慮?
・マイナーな苗字なのに、なぜ「吉井」虎長にしたのか不明。セリフで名前が呼ばれるたびに「ヒャッ!」ってなるw
・「SHOGUN 将軍」新旧キャラクター比較。リメイクらしく、かなり旧作を踏襲してるのが意外。
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