2013/09/20

「風立ちぬ」と「パシフィック・リム」

●風立ちぬ

(ネタバレはしてませんが、先入観を持ちたくない人は読まないようにお願いします)

今さらだけど「風立ちぬ」観てきた。これでようやくレビューとかいろいろ読めるw 平日朝の回なのに7〜8割くらい席埋まってました。ロングランするだろうな。あと「パシフィック・リム」を見ないと今年の夏は終わらない。

「風立ちぬ」、イマイチって人が多いらしくて心配だったけど、すげ〜よかった。映像的見せ場やストーリーの牽引力や盛り上がりが少ないのに、画面や演出が非常に緻密なので一瞬も退屈しない。説明が無さすぎてわかりにくいという話もあったけど、大丈夫だった。子供の頃にプラモデルブームだったおかげで、あのあたりの歴史の最低限の知識もあったし。

なんちゅうか、モノ作ってる人っていうか何かやろうとしてる人全部への応援歌というか贖罪というか免罪符というか、「そういう人なんで見逃してやってね」というか。時代や環境は選べないけど、とにかくやりたいことを実現しろ、やるべきことをやれ。全力を発揮できるのは10年しかないぞ。力を尽くしてるか? という。その結果、犠牲や蔑ろになるものもあるかもしれないけどね、と。

何か根詰めてやろうとしてたりモノ作ってる人以外には、何の引っかかりもない映画に見えるかもしれない。主人公、なんてひどいヤツだって思うかもなあ。破滅も何もかも全部受け入れるっていうか、実は周囲がどうなろうとあんまり興味ない。

宮崎駿監督の精神的自伝なのは確かだろうな。「僕はこういうヤツなのです」という個人的映画。こりゃ本人が見たら泣くわ。いろんなもの犠牲にしてきた、すいませんね。という。

勝手に純化・誇張すると「ぜんぜんコタえないやつ、反省しないやつ、悪魔に魂さえ売る最低なヤツであることを受け入れて、理想に向かって走り続けようぜ」って話だと思うw

・・・すんませんw 「これは僕についての映画だ!」とか思って帰ってきてレビューを検索したら、少数ながら同じこと思った人がいるみたいで、なんかうれしくていっぱい書いちゃった。けど、鼻息荒く書くほどに「周囲蔑ろにしてモノを作ってる自分は特別」に陥りそうだったのでかなりカット。危険な映画だなあw

●パシフィック・リム

(こっちは読んでも大丈夫です)

今さらだけど「パシフィック・リム」も観てきた〜〜。日本語吹き替え3D上映。暗さはそれほど気にならなかったけど、2Dでしっかり見えるほうがいいなあ。

巨大ロボットアニメってマジンガーZと最初のガンダム以外ほぼ見たことないし、ウルトラシリーズもセブンまでしか見てないし、ゴジラとかの怪獣映画もそれほど好きじゃないので、「男の子の夢!!」的な思い入れはあまりなかったんだけど、「究極の実写」で見せられると圧倒されるね〜! 「こういう映像を見てみたかった」のオンパレードは、さすがに響く。

日本の特撮やアニメを、日本では考えられないくらいの予算を使ってものすごいレベルで実写化したらこうなる、というサンプル。日本人が見たくても見れなかった映像。すごいわ。ヘタすると、もう巨大ロボットものも怪獣ものも、これで終わりでいいや。ってくらいの。

誰かも言ってたけど、「特撮だから、アニメだから」っていう、リアルに見えなくても脳で補完したり、様式美だからってことであたたかい目で見たりって部分を完全排除! 情け容赦のないリアル描写! 海底のシーンはちょっと「う〜ん」な部分はあったけど。

芦田愛菜ちゃん、すごかった。泣いて走ったり怖がったりしてるだけなんだけど、圧倒される。愛菜ちゃんが出てくる数分だけでもこの映画を見る価値がある!! あと、こういう映画に「お笑い担当」がいるのってお約束なんだろうけど、 科学者コンビがちょいと鼻についた。っていうか、J・J・エイブラムスと杉本哲太に見えてしょうがなかったw

・・・二本の映画を二日続けて観に行って、ようやく夏が終わったw

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